エルフの村々を叱ってまわる聖職者集団があった。
「エルフならエルフの自覚を持て! エルフらしく自然と共生して生きろ! 耳をもっと伸ばせ!」
当然、ポテチを食いながら寝ころがってテレビを見ていると叱られた。
だが、エルフだって禁欲ばかり要求されてはストレスが溜まる。
ある日彼らは爆発した。
エルフを叱る者たちを狩りたてて人間世界に送り込み、神保町のカレー屋で強制労働させたのだ。
エルフを叱る者たちは、今日も接客態度がなっていないとカレー屋の店長に叱られた。
(遠野秋彦・作 ©2018 TOHNO, Akihiko)