2018年08月16日
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三百字小説『紳士ゴタンダール』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 戦闘機エタンダールは退役して戦闘機を廃業し、紳士エタンダールとなった。退職金で世界一周をやろうと思って世界の空をゆっくりと飛んだ。しかし、助けを求める声がしてエタンダールは下を見た。「ここは東京だな」

 近くの羽田空港にエタンダールは緊急着陸して声がした場所を探した。そこは五反田と呼ばれる場所だった。

 エタンダールはチンピラに絡まれていた男を助けた。元戦闘機のエタンダールにはそれぐらい簡単だった。

 「大丈夫か五反田の人。私は紳士エタンダールだ」

 「え? ゴタンダール?」

 エタンダールは五反田を火の海にするとそのまま羽田から離陸した。元戦闘機のエタンダールにはそれぐらい簡単だった。

(遠野秋彦・作 ©2018 TOHNO, Akihiko)

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