僕は半田こての間違った場所を握ってしまった。あまりの熱さに僕は飛び上がった。しかし、その衝撃で僕は半田戦士に変身してしまった。
僕は、この世の悪を成敗するために半田こてを武器に立ち上がった。
「やめろ、そんなもので叩かれたら火傷しちゃうじゃないか」
「安心しろ。コンセントは抜いてある」
「それ、電池式の半田こて……」
悪党は大やけどして敗北した。
「あなたは間違っているわ。半田こては半田付けをするためのもののはず」と意見してくる女もいた。
僕はその女の唇を半田付けして黙らせた。
これなら文句はないはずだ。
(遠野秋彦・作 ©2019 TOHNO, Akihiko)