「主人公って誰だっけ」
「ジンベエじゃね?」
「以上感想おしまい」
「もうちょっと語れよ」
「うん。勝負をその他大勢対七重楼と、甚兵衛対十蔵に分けて整理したのは上手い」
「どう上手いんだい?」
「戦いの質が全く違うからね。【その他大勢対七重楼】戦は、普通ではない敵に対してヒントから攻略を考える戦い。それに対して、【甚兵衛対十蔵】戦は底の知れない男と男がいろいろと隠し持ったものを見せ合う戦い」
「それだけ?」
「いや、実は【その他大勢対七重楼】戦は、その他大勢側に感情移入するが、【甚兵衛対十蔵】戦はむしろ十蔵の方に感情移入できてしまうところが異質だね」
「十蔵に感情移入?」
「だって。どう見たって甚兵衛の方が怪物だよ」
「なるほど」
「あと【光の上位精霊】は良かったね。精霊が登場するとはね」
「精霊って何だよ」
「父と子と聖霊の御名において、聖霊と精霊は違うらしいぞ」