2019年11月14日
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感想・映画「くらやみ祭の小川さん」

Written By: トーノZERO連絡先

「なかなか凄い経験ができた」

「どんな経験?」

「映画の中に出てくる映画館でその映画を見た。本当に作中にTOHOシネマズ府中が出てくるんだよ」

「他には?」

「客の入りがかなり良かった。さすがご当地映画」

「どれぐらい?」

「半分までは行かないとはいえ、かなり席が埋まってた。上映開始から一週間以上経過しているのに、これはかなり多いだろう」

「内容はどうだった?」

「場所はほとんど府中。知ってる場所は府中。知らない場所も府中っぽい。ともかく府中府中府中。京王線の府中駅も府中競馬場も出てくる」

「ストーリー的には?」

「中年男がひたすら挫折してお祭りに救われるのかと思ったらお祭りも年寄りと若手が対立していてかなり大変な中味だった。母親は痴呆だし、娘がバツイチの出戻りで子供が行方不明になるし、娘は男にふられるし、息子は役者志望だし、本人は止むを得ずバイトやって年下の女に叱られるし。万引きをとっ捕まえたら怪我をさせたとして苦情をねじ込まれてクビになるし。かなり壮絶な中味だった」

「良かったのはどんなところ?」

「主人公の中年がさ、挫折を繰り返す内に観客と等身大になって行くのよ。一緒に泣けてしまう」

「可愛い女の子は?」

「それがいわゆるヒロイン的な女性はあまりいなくてねえ」

「えー」

「主人公の中年男が男性ヒロイン的な感じ?」

「太った眼鏡のおっさんでヒロインか」