2020年03月09日
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人体改造志願・私、マーメイドになります! Man Made Marmaid (【人造人魚】改題)

Written By: 遠野秋彦連絡先

表紙 人体改造志願・私、マーメイドになります! Man Made Marmaid

「ぽから扱いの【人造人魚】が販売終了になることに伴い、販売元を変えて表紙とタイトルも変えて再刊した」

「なぜ表紙とタイトルを変えたんだ?」

「今の目で見るとあまり良くなかったので。あれは読者に刺さらない」

「新しい表紙はなんだい?」

「WikiPediaからパブリックドメインの画像を借りて作成した。これで読者に刺さるかどうかは知らないが、作品の説明としてはまあまあこれで良いだろう」

「作品の説明とは?」

「暗に昔のヨーロッパっぽいどこかを舞台にしているので。辛うじて自動車がある程度の文明レベルで。E=MC^2もまだ産まれたばかりの机上の理論だ」

「では、タイトルはどうなんだ?」

「【人造人魚】ではぜんぜんイメージを喚起しない。【養殖ものの人魚?】という感じで終わりではないか。それよりも、【人間を捨てる】【私が人魚になる】【私が志願する】というドキドキの背徳感が重要」

「約束された人間としての生き方に背を向けるわけだね」

「そうだ」

「結局これはSFなのか?」

「それはそうなのだが、幻想的で退廃的な内容だ」

「女装メイドのお尻を犯す侯爵さまがいたりするわけだね」

「他にもいろいろな」

「しかし、昔を舞台にして人間改造など成立するのか?」

「整合性を考えて、そこは侵略宇宙人に登場願ったよ。この世界は巨大ヒーロー若虎マンが敗北した後の世界なのだ。実は宇宙人の小国家が既に存在していて、人体改造を行っているという設定だ」

「そのあたりはSFなんだね。でも若虎マンってなんだ?」

「うん。実は【人造人魚】というテーマを20世紀初期の世界観で幻想的なドラマに仕立てようとしたときに、どうしても人ならざる存在を介在させねば整合性が取れなくないことに気付いて、宇宙人を登場させることにした。その結果二種類の宇宙人を登場させることにした」

「なぜ二種類なんだ?」

「最初から悪の宇宙人の誘いには乗らないと思うので、【悪に屈服した善の宇宙人】を用意したわけだ」

「それが若虎マンなのだね」

「そう」

「じゃあ、若虎マンタロウとか、若虎マンエースも出てくるの?」

「出ないよ。そういう世界観ではないんだ。そもそも主テーマは【人造人魚】だ。クライン川の中洲に立てられたエム・エムエ幻想国のズィン科学侯爵の屋敷が主な舞台だ」

「若虎マンを助けるために地球防衛隊は来ないの?」

「来ないよ。そんな防衛隊は作中に存在すらしない」

「これは正義が失われた世界で悪徳の快楽に浸る話ということだね」

「そう。そして、MMMとMMとMという3つの言葉の謎を解く物語でもある」

「先生、質問です!」

「なんだね?」

「どうしてMMMの意味がタイトルに書いてあるんですか?」

表紙 人体改造志願・私、マーメイドになります! Man Made Marmaid