僕は全世界のあらゆる教師を倒し、ついに教師王となった。僕は専制君主として、全世界を支配した。
「私のことは先生君主と呼ぶがいい」僕は宣言した。
僕は無敵だった。
抗う者は廊下に立たせておけば良いのである。
時々僕を倒そうと挑戦者が来た。
しかし、先生である僕は【先生攻撃】という名の先制攻撃が可能であり、必ず勝てた。
だが僕が負ける日が来た。
校長が僕のところに来て言ったのだ。
「キミはどの部活の顧問にもなってなかったね。野球部を見てくれないか。ちなみに、野球部はハードだから顧問だけで他のことはできなくなるよ」
教師の中の教師、教師王より校長は偉かった。
(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)