2020年05月16日
川俣晶の縁側電子出版事業部便り total 1502 count

昔の小説はいかにし復活したのか?

Written By: 川俣 晶連絡先

 2006年頃に既に販売していた小説はおそらく以下のタイトルです。

 2006年頃は全く売れませんでした。

 しかし、今はいずれもAmazon Kindleで実際に読者に(ほぼ)読まれているタイトルです。

 このことは、以下の2つを意味します。

  • 企画、方向性は間違っていなかった
  • 細部には間違いが多くあったが、マーケティングデータを握った2010年代後半以降に急速に改善できた

 間違いとは何か。

 例えば、【ラト姫物語】は間違ったタイトルです。作品内容から考えると間違っていませんが、読者が手に取りたいのはそれではありません。もし、お姫様の美少女キャラが欲しい人なら絶対に好まないような内容になっています。実際は、宇宙艦隊の指揮官になってしまった天才少女の苦悩がテーマですから、むしろ宇宙艦隊の指揮がメインテーマになります。そうすると、タイトルに【宇宙機動遊撃艦隊】と言う言葉を添えるとても分かりやすくなります。宇宙艦隊が砲撃戦をやるような小説が読みたい人にはまさに似合う内容です。途中で艦隊は出てこなくなりますが、クライマックスでまた必ず出てきます。そして、続編のセラ姫物語は宇宙艦隊が出てこないような内容のはずがやはり登場します。ですから、現在の【宇宙機動遊撃艦隊: ラト姫物語・セラ姫物語合本】はずっと分かりやすい、読者に届くタイトルです。

 それはそれとして、【下手】という要素が多々あったことも事実ですね。

 自分にグッと文章力が付いたと自覚できた時は2回あって、

  • 300字小説を書くようになった時
  • マーケティングデータを見ながら書くようになった時

 【300字小説を書くようになった時】については以下の書籍にまとめました。

300字表紙 300字小説の書き方入門: 目指せネットのミニ文豪【増補改訂版】

 要するに、パワーアップしてリベンジのために帰ってきたというところです。

 昔の作品も、技術解説は無意味化しますが、フィクションは腐りません。いくらでも古い作品を読んでいただけます。たとえ20年前の常識に従って書かれていても、昔を舞台にした新作小説は珍しくないので、そこはハンデになりません。だから、小説・火星の地底世界バルシダーはあくまで20世紀末のオタク達が異世界に旅立ちます。格闘ゲームがブームだった時期を舞台にしないとストーリー的に作品が成立しないのです。そうしないと、マッスルマックスもアムソンも登場できないのです。だからあれは20世紀末が舞台で良いのです。

 だから、皆さん、昔の小説も含めて今後とも株式会社ピーデー電子出版事業部の本をよろしくお願いします。

株式会社ピーデー電子出版事業部