2020年10月08日
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三百字小説『ラッコパトロール』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ラッコ達の食料である貝類を盗む泥棒が現れた。

 「何者が盗んでいるのか。我々は突き止めねばならない。パトロール隊を結成する」

 ラッコパトロールの結成である。

 これで皆が安心だと思った。

 若いメスのラッコたちはファンになってパトロールの後を付いて回った。

 ところが、ラッコパトロールの巡回が始まると、貝類の減少が加速した。

 「おまえらパトロールしながら貝を食ってるだろう」

 「そんなことはない!」

 と口論も発生した。

 だが、ある日海鳥が原因を発見した。

 「パトロール隊ファンのメスのラッコたちが貝を食ってる」

 メス達は口々に釈明した。

 「ちょっとだけよ」

 「ほんのちょっとだけ」

 しかしメス達は数が多かった。

(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)

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