2020年12月04日
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三百字小説『ハイレグ・ハイキング』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 彼から誘いが来た。

 ハイキングだ。

 私はAIに質問した。

 「彼にアピールするスポーツウェアは?」

 「ずばり、ハイレグのレオタードです!」

 私はハイレグのレオタードを着てハイキングに向かった。

 「うひょー。色っぽい。ハイキングで疲れた後でご休憩と言ってラブホテルに連れ込むつもりだったけど、今すぐ行きたい! 今すぐ、ハイキングを中止してベッドの上の運動に切り換えよう!」

 私はハイキングを中止してハイキックに切り換えて、彼を叩きのめした。

 「ああ。もっと良い彼氏が欲しいわ」

 「ハイレグを着ていったら普通は撮影会に切り換えるものですよね」とAIが答えた。

 私がAIも叩きのめしたのは言うまでもない。

(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦