2020年12月09日
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ほぼ謎解明・カルピス直営店新宿カピーで出されたカピーコーヒーの正体

Written By: 川俣 晶連絡先

l 表紙 カルピス飲んで朝ご飯・昭和10年8月井の頭公園のカルピス朝飯会 

 上記書籍について調査中に、カルピス直営店新宿カピーで出されたカピーコーヒーの正体が良く分からず気になっていたが、おおむね分かったので上記書籍の1.02版に反映した。詳しくは上記書籍をお読み頂きたい。

 以下に概要を説明する。

 カルピス直営店新宿カピーのメニューはいろいろあったようだが、以下のページから「カルピス」「567(ゴロナ)」「カピーコーヒー」があったことが分かる。

 カルピスはあのカルピスと思われる。567はカルピスの当時の商品で、ガラナ飲料であることが分かっている。問題はカピーコーヒーである。カルピスはコーヒーエッセンスを販売していたこともあるので、これを使ったものか、普通の本格コーヒーかは良く分からなかった。

 しかし、製菓実験 昭和11年3月号に【品位明朗を第一とする喫茶店 新宿"カピー"を訪ねて / 本誌記者/p34~37】という記事があり、ここにコーヒーのある程度の詳細が書かれていた。

【コーヒーは他店に負けない自信があり、定評があります。十銭では到底出せないものですが、本社が以前にコーヒーエッセンスを発売した関係上、良い材料を豊富に仕入れてあり、エッセンスも応用するので、よそでは、同値で、一寸、真似ができません】【このエッセンスは、モカ。ジャバ、ガテマラ、ブラジルの四種混入かと想像する】

 つまり、提供されたのはコーヒーエッセンスではないが、コーヒーエッセンスを発売した都合上仕入れた材料を使用した本格コーヒーを安価に提供したのが真相であるようだ。しかし、【エッセンスも応用】が何を意味するのかは良く分からない。

 とはいえ、こちらの興味は新宿カピーではなく井の頭カピーである。

 井の頭カピーのカルピス朝飯会の調査結果は以下の書籍にまとめた。

表紙 カルピス飲んで朝ご飯・昭和10年8月井の頭公園のカルピス朝飯会 

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