2021年07月26日
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三百字小説『ジュラ紀のジュラ電』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 太平洋戦争直後、軍用機に使用された金属材料ジュラルミンが大量に余ってしまったので、不足していた通勤電車をジュラルミンで作ってみた。ジュラ電の誕生である。

 ところが、ジュラ電はすぐ腐食して穴だらけになってしまった。

 ジュラ電は捨てられてしまった。

 だが、ゴミ捨て場で遊んでいた子供が、穴の一つがジュラ紀につながっていることを発見した。穴はタイムホールだったのだ。

 もちろん、ジュラ電だからジュラ紀というわけではない。たまたま偶然だ。

 だが大発見だった。

 過去を調査するために多数の科学者達がジュラ紀に乗り込んだ。

 すぐに寿命が尽きて失敗作と言われたジュラ電が多くの客を運んだのだ。

(遠野秋彦・作 ©2021 TOHNO, Akihiko)

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