2021年09月21日
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Tiny BASICの誕生・終焉・そして再生 なぜLevel-1 BASICはLevel-2と互換性がないのか

Written By: 川俣 晶連絡先

表紙 Tiny BASICの誕生・終焉・そして再生 なぜLevel-1 BASICはLevel-2と互換性がないのか

「これはTiny BASICの歴史を書いた本かい?」

「そうだ」

「でもさ。Tiny BASICの歴史に興味を持つような人なら、もともと知ってるんじゃないの?」

「と思うだろ?」

「違うのか?」

「実は違うのだ。日本に入ってきたTiny BASICはPalo Alto Tiny BASICのあたりから普及が始まった。しかし、それより前の世界がある。それは、Microsoftとユーザーコミュニティの激突や、OSSの原形みたいな開かれた活動の始まりと、COPYLEFTという言葉の発明まで含む。これらは1970年代の後期に起きたことで、現在のOSS活動とは直接つながっていない。しかし、多くの点で原形とも言えるものを提示していた」

「えー。本当かよ」

「実は、Palo Alto Tiny BASIC 1.0のソースコードを調べて、そこに書き込まれていたCOPYLEFTの文字まで調べたぞ。ちなみに、WikiPediaに載ってるのはPalo Alto Tiny BASIC 2.0のソースだからそれより古いのを調べ上げた」

「手間を掛けたんだね」

「実は変なところで手間が掛かっている」

「で、この本のポイントは?」

「知ってるつもりが一番危うい」