2021年10月04日
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三百字小説『ド級戦艦対DQN戦艦』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 頭の悪い軽率な男が軽率にもド級戦艦を買ってしまった。男は馬鹿だったが金だけは持っていたのだ。

 男は、ド級の意味が分からなかったので、すぐにデラックス・クオリティ・ナイス戦艦の略でDQN戦艦と呼ぶようになった。

 そこに、ド級戦艦保有国が集まって戦艦バトルの試合をやろうという招待状が届いた。

 男は喜んで参加した。

 やがて、ド級戦艦による壮絶なペイント弾の撃ち合いが始まった。

 男は頭が悪く軽率だったので、王者のように堂々と入場した。だが、そうしたら他の戦艦が待ち構えていて袋だたきに合ってペイント弾の染料で真っ赤になった。

 男は、真っ赤な戦艦で赤っ恥をかいた。

(遠野秋彦・作 ©2021 TOHNO, Akihiko)

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