2022年01月08日
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UQ HOLDER連載第191回感想【ネタバレ注意】

Written By: 川俣 晶連絡先

「おお、なるほど。まさにセオリー通りの正攻法で物語を閉じようというわけか」

「どのへんが正攻法なの?」

「ネギがナギを、刀太が雪姫と戦おうとするのはまさにセオリー通り。ネギま!はネギはナギの足跡を追う話であったし、UQは刀太と雪姫の気持ちのもつれの話であった。だから話を決着するにはこの組み合わせしかない」

「ネギとエヴァの組み合わせはあり得ないの?」

「ネギはエヴァの前にナギなんだよ」

「なるほど」

「そして最終的にUQにおける始まりの地である仙境館に舞台が戻ってくる」

「始まりの地って、みんなで住んでた田舎じゃないの?」

「そうなんだけど、実はそれも回想で出てくる」

「ふむふむ」

「そして、極めつけは全員集合と大軍対大軍の最後の決戦」

「アベンジャーズ/エンドゲームで、最後の最後でみんな参集してくるみたいなものだね」

「これは、アベンジャーズ/エンドゲームも含めて王道をやっていると思うべきだろう」

「後ろの方に、けっこう昔に出てきたキャラもいたりするが」

「まさに、終わりを意識したものだろう」

「なるほど」

「あともう1つ。感心したのは、夏凛が、【来たれ黙示の日】で【断罪の驟雨】という技を使ったことで、これで夏凛というキャラの物語が完結した感がある。キリスト教的世界観の宗教的人物である夏凛は、キリスト教的な終末である黙示の日を経由して、自らの物語を終わらせようとしている。ただし、黙示の日という表現は興味深いもので、ヨハネの黙示録ではなく、もっと古い根源的な神による秘密の開示である【黙示】そのものを示しているような気がする。そもそも夏凛は使徒であるヨハネ と同格の立場であり、【ヨハネの黙示録】ではなく、ダイレクトに神と結びついた生の【黙示】の力を行使したと思う方が良いと思う」

「UQ Holderのおかげで、また少し古い知識が増えた気がする」

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