2022年05月13日
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高橋留美子の偉大さを知る・めぞん一刻のたった1エピソードで当時のレオタードを巡る社会状況を語り尽くしていた

Written By: 川俣 晶連絡先

「この本を書いている時に分かったことがある」

表紙 LEOTARD ANIME 198X・一般女性が誰しもレオタードに憧れた時代

「何が分かったんだ?」

「めぞん一刻の原作単行本(15冊組の場合の5巻)収録の【見るものか】は、実は当時のレオタードを巡る状況を全てたった一話で描ききっている」

「レオタードを巡る状況とは?」

「こんなところだな」

  • レオタードは主にエアロビクスとジャズダンスである
  • 多数派の女性は、好奇心がある。買ってみたい、着てみたいという隠された欲望があったりする
  • しかし、他人に見せるのは恥ずかしい
  • 実際にやってみるときついので音を上げる
  • 男は、レオタード姿の女性をとても見たい (女の方は見せたくない)
  • レオタードと聞いて異様に興奮する男も多い

「なるほど」

「これらの要素が、たった1つのエピソードに過不足なく含まれている。これは、高橋留美子の偉大さ示す一つの証拠と言えるだろう」

「否定的な価値観も肯定的な価値観も描かれているってことだね」

「女性的な価値観も男性的な価値観もちゃんと描いてあるよ」

「見事なり、高橋留美子」

「まあ、詳しくは上記の当該書籍を読んでくれ」