ご主人様に愛され、家族同様に扱われていたミミは考えた。
「もっと可愛くなって、もっと愛されなきゃ」
そこでミミは書斎に入り込んで、そこに広げてあった雑誌を見た。
そこにはこう書いてあった。
『ネコ耳で可愛さをアピール! これで彼氏もイチコロ!』
これだ、と思ったミミはネコ耳を付けることにした。
ミミは「ネコ耳はどこのにあるか知らない?」と聞いてまわった。するとハロウィンの後にはよく捨ててあると知った。
ミミはハロウィンが過ぎるのを待ってネコ耳を手に入れた。
ミミはネコ耳を付けてすまし顔でご主人様の前に出た。
「おや、犬が猫の耳を付けるなんて変だぞ」
(遠野秋彦・作 ©2022 TOHNO, Akihiko)