2022年10月17日
遠野秋彦の庵小説の洞 total 332 count

三百字小説『ミミのネコ耳』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ご主人様に愛され、家族同様に扱われていたミミは考えた。

 「もっと可愛くなって、もっと愛されなきゃ」

 そこでミミは書斎に入り込んで、そこに広げてあった雑誌を見た。

 そこにはこう書いてあった。

 『ネコ耳で可愛さをアピール! これで彼氏もイチコロ!』

 これだ、と思ったミミはネコ耳を付けることにした。

 ミミは「ネコ耳はどこのにあるか知らない?」と聞いてまわった。するとハロウィンの後にはよく捨ててあると知った。

 ミミはハロウィンが過ぎるのを待ってネコ耳を手に入れた。

 ミミはネコ耳を付けてすまし顔でご主人様の前に出た。

 「おや、犬が猫の耳を付けるなんて変だぞ」

(遠野秋彦・作 ©2022 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦