2023年02月09日
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三百字小説『おてんばなセプテンバー』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 一年の十二人の娘達のうち、セプテンバーが最もおてんばだった。暑さなら姉のオーガストの方が上だったが、オーガストは暑すぎて行動的ではなかった。

 しかし、おてんばすぎるのも困る。

 家族みんなで話し合った結果、セプテンバーは御殿場にある施設に預けられることになった。

 「このままでは御殿場なセプテンバーになってしまうわ」

 セプテンバーは施設を脱走した。

 山の中を彷徨ったセプテンバーは、湖を見つけた。芦ノ湖だった。

 「海賊船だわ。あれを乗っ取りましょう」

 セプテンバーは大暴れして海賊船を乗っ取った。

 「今日から私が船長よ。セプテンバー改めキャプテンバーよ!」

 彼女の海賊船は芦ノ湖最強となった。

(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)

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