興行一座は、ゴーマン市のカーニバルに参加しようと目論んだ。大金が稼げるからだ。
ゴーマン市の市長は傲慢な男でワイロを要求してきた。
しかし、貧乏一座に金などない。
「ダメだダメだ。帰れ帰れ。いやまてよ。おまえのところはバニーガールがいたな。あれが出るなら参加を許す。それ以外なら参加禁止だ。分かったな!」
「間違いなく」と座長は頭を下げた。
ところが戻ってみるとバニーガールは軽業師と駆け落ちした後だった。
止むを得ず座長は残ったコスチュームを着てステージ立った。
市長はなぜか喜んだ。
「むむ! 新しい性癖に目覚めた。男の娘バニーガール最高!」
傲慢な市長は座長を愛人にすることを決め、座長は夜逃げした。
(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)