ふふふの闇の最初の方と比較すると、驚くほどの変化ということになりますが。
悪役の親分であったあの黒闇が、外法使いの女の子の守護者のような優しい立場になってしまう、という実に驚くべき話ですね。しかし、とても良い話です。
外法童子は前に出版された単行本は持っていたいと思いますが、もう内容はかなり忘れていますね。
特に良かったのは、最初のエピソードで不思議なものがやってくることを当然のこととして準備して会話している街の人達。
それから、除夜の外法の全編。これは扉絵の駅前の二人、という絵が独特の雰囲気で良い感じなのから始まって、走り回る猿渡の兄も面白いし、彼らが妖怪を退治しなければならないというのも良いし、そして何より、主人公の命と引き替えに妖怪達を助けてくれ、と言われるところがグッと来ますね。命を差し出せと要求されているのですが、それは妖怪を助けるためです。そして、最後の結末。ちゃんとハッピーエンドで終わることができるのが良いですね。生きているから今年もまた使える、と表現する鬼道丸もなかなか。
キャラクターも、主人公の顔や性格が個性的で魅力的なのに加えて、主人公の好きな男の子にばかりアタックするという友達も面白い性格でナイスですね。
それはさておき。
どうやら文庫版の山田ミネコさんのシリーズはこれで終わりのようですが、結局、アリスシリーズからずっと全部買ってしまった……。たぶん、95%ぐらいは既に持ってる本に掲載されていたものです。でも、一通り読み返せたのは良かったですね。