誰が言い出したのか、まことしやかに流布される謎の解釈。
今回のIT都市伝説はこれだ!
「スマソ」は2ちゃんねるを語源とする §
謝る場合に使われる「すまん」という言葉があります。
これをカタカナ表記にして、「ン」を似ている「ソ」に置き換えた「スマソ」という言葉が、2ちゃんねる等で使用されます。
これは、2ちゃんねるを語源とする2ちゃんねる用語である、と言われています。(と思いますが、そのあたりを正確に調べ切れていません)
「スマソ」の語源は2ちゃんねるではない? §
ある人から、「スマソ」の語源は2ちゃんねるではない、という驚くべき話を聞きました。
これはただ単に聞いた話に過ぎず、私自身の裏付けは取れていませんので、そういうレベルの話であることは断っておきます。
あまりに意外なドラゴン起源説? §
ドラゴンという香港の模型メーカーがあります。模型を作らなくなってうん十年という人にはピンと来ないブランドかもしれませんが、既にプラスチックモデルの世界では、かなりのネームバリューがあります。タミヤやハセガワと並んで名前が出てくる機会もけっこうあります。
ここの製品のかつての組み立て説明書は、日本語が非常に怪しく、ひらがなとカタカナが違っていたり、似た別の字になっていることも珍しくなかったそうです。
それを見て、「ン」を似ている「ソ」に置き換えるような遊びが、一部のパソコン通信の世界などで行われていたそうです。
このような遊びが、初期の2ちゃんねるに持ち込まれ、起源を認識しない利用者によって2ちゃんねる用語として固定、拡大したのではないか、と言うのだそうです。
これをあえて書く意義とは? §
裏付けも取れていないこの話題をあえて書く理由とはいったい何でしょうか。
それは、この解釈にとても面白いことが2つあったためです。もう1つ、この話を他の人に説明するときに、いちいち1から説明すると時間を食うので、とりあえず文章にしておこうと思った、という理由もあります。
ついでに、これを書くために、オータムマガジンにIT都市伝説というキーワードを追加してしまいました。IT都市伝説というのは、前から暖めていたアイデアです。しかし、この話題はIT都市伝説としては、少し亜流です。そのため、これがIT都市伝説の最初のコンテンツにならないように、更にIT都市伝説の最初のコンテンツも追加で書く羽目に……。
さて、面白いことが2つとは何か。
最初に飛び抜けて面白いと思ったのは、ドラゴンというその筋では有名だけれど、部外者にはあまり知名度の無いブランド名が出てくることです。2ちゃんねる用語という縁遠い世界の話が、いきなりドラゴンという身近な世界とつながっているのは実に面白いですね。そして、(模型関係の人達を除き)おそらく大多数の2ちゃねらーは、ドラゴンを知らないであろう、というのも面白いですね。(ちなみに、手元にはドラゴン(ハセガワ発売)のP-61Bブラックウィドウの未組み立ての箱があります。)
もう1つは、しばしば対立のものとして語られるパソコン通信とインターネット掲示板の世界であるのに、インターネット掲示板の世界の最大手たる2ちゃんねるの用語のルーツが、パソコン通信に辿りうるというのが、これまた意外で面白いですね。パソコン通信といっても、NIFTYのような大手のものばかりではないし、いろいろと小さな草の根ホストで様々なことが行われていたし、たとえNIFTYであっても、限られた小さなプライベートなコミュニティがホームパーティーなどそれを支援する機能を使って独自の活動を行っていた事例もあります。
特に、誰でも無料でオンラインサインアップでき、匿名掲示板もあるような草の根BBSの存在を考えれば、現在のインターネットの掲示板が飛び抜けてパソコン通信文化と異質とも言えないような気がします。(NIFTYと違う、とは言えても)
そういうことを考えてみると、インターネットの掲示板文化は、パソコン通信文化と違う文化を確立した、と思うのは早計で、多くの点でパソコン通信文化の意図せざる後継者、模倣者としての側面もあるのかもしれません。
2004年3月16日15時31分頃追記 §
testml4に、なんばりょうすけさんよりコメントを頂きました。
以下に特に関連する部分を引用します。
ちなみに少なからぬ「2ch 語」は実は 2ch 起源じゃないという話はしばしば
ききます。大抵は別のところから持ち込まれたネタやコピペが 2ch 内で大量
に培養されて外にでていくので 2ch 語扱いされているような。
# 明らかに 2ch 内で発生して過去ログが残っているものもありますが。
# 「がいしゅつ」とか「だめぽ」とか。