鞄に放り込んであったのですが、電車の中で少しずつ読み進んで読み終わりました。
これは非常に良い本です。
まず、具体的な番地表記まで入って何がどこであったのかが書かれています。地図と照らし合わせながら読むと、「そうかここか!」と言うことが良く分かります。また、事件のあと、その人物がどうなったのかが具体的に書かれています。どこに埋葬され、どこに改葬されたのかも書かれています。その結果、比較的近いところにも、歴史的な人々の墓があることが分かりました。実に興味深いです。
それらだけでも十分すぎるほどの意義があるのですが。
それ以上に凄いのは、あまり知られていない事件がいくつも解説されていることです。よくある幕末史の解説には出てこないような、小さいけれど興味深い事件がいろいろと出てきます。そうか、こんな事件もあったのか、と驚きを持って読むことができました。これも、具体的な土地と人物に焦点を当てた構成だからこそできることだと思います。歴史の、特に政治的、軍事的な流れに焦点を当てた本では省略されがちな事件も、こういう構成では大いに取り上げる価値があることになるわけですね。これは、とても有意義であり、新鮮です。
それはさておき、この本はあちこち歩き回るときにとても参考になる良書ですね。処分せず保存して活用しようと思います。