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2004年08月14日
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ミニチュア庭園鉄道 2―欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の大躍進 森博嗣 中央公論新社

Written By: 川俣 晶連絡先

 サクサクと読んで読み終わりました。

 電車、中でも通勤電車、特に京王9000系とJR東日本E231系を愛する(半分引退状態の)Nゲージャーの私と、通常のHOすら相手にしない大形のナローゲージ専門の森氏には一見接点がないかのように見えますが。明らかに、ある時代のある瞬間の空気を共有していたことは間違いないと思います。

 具体的には乗工社などが熱心にナローゲージ製品の展開を始め、機芸出版社からナローゲージモデリングのような書籍が発売された頃。乗工社の製品は、なぜか方南町の珊瑚模型の2階で売っていたような気がします。そして、方南町は子供でも自転車で行け距離でしたから、中学生ぐらいの頃だったと思いますが鮮烈な衝撃でした。つつじヶ丘の乗工社のショールームにも1回行ったことがあります。

それは共通体験? §

 そして、決定的な共通体験はこれ。

その昔、安価なNゲージのディーゼルや蒸気を壊し、キャビンだけをボール紙で作って、HOeの車両を作った思い出が蘇ります。

 おそらく、安価なNゲージのディーゼルとはトミーのC型ディーゼルで、蒸気はCタンク。どちらも持ってました。そしてナロー改造のために破壊されました。Cタンクの方は最終的にどうなったのか覚えていませんが、ディーゼルの方はボディのエンジン部を残してキャブを壊して、ナローサイズのキャブをペーパーで作りました。そのあと、2軸のコンパクトな感じが欲しくて、台枠も短く切りつめる加工をした気がします。で、60cm×30cmぐらいのボード上に、Pecoのナロー用のフレキシブルレールとポイント1個を配置して、何となくそれらしい雰囲気に多少近づけようと努力したような気がします。

庭園鉄道について…… §

 あと、ささやかながら庭園鉄道もほんの僅かな経験があって、その感覚はほんの少しだけ分かります。もちろん、ほんの僅か、庭にごく短いNゲージの線路を設置してみたことがあるだけ。それは無謀の極地です。しかし、敷いてみたことがあるのと無いのでは、本から受け取る印象に大きな差が出ると思います。形ある模型を作る行為は身体性に直結すると思いますが、特に庭園鉄道はその傾向が強いと思います。

大きい模型を指向すること §

 更に良く分かるのは、なぜ森氏が大きな模型を指向しているのかと言うこと。

 中学生ぐらいの時は小さい模型でも、割と問題なく作ることができました。しかし、今はもう駄目ですね。そもそも、指のサイズが違うので、同じ部品を同じように扱えません。

 ただ問題なのは、大きい模型には、それにふさわしい広さが必要であること。スペースという点で言うと、森氏のやっていることは全く真似ができません。

はたして森氏を羨むべきか §

 これだけ好き放題の趣味道を進む森氏は、羨ましい存在と言えます。

 とりあえず、先立つものというレベルで敗北していますし。

 とはいえ、「羨ましいぞ、コノヤロ」という感想がストレートに出てくるのかというと、そうでもありません。おそらく、共感できる部分があるからこそ、違いもまた強く意識されるといった感じでしょうか。

 仮に私が無条件で趣味道に突き進める環境ができたとしたら、やはり進むべきは電車になるでしょう。たとえば、オータムマガジンに電車好きというキーワードが存在しているのは、まさに電車が好きであるという意思表明であって、そこに蒸気やディーゼルが含まれないのは当然のこととして、電気機関車も対象外と言うことになります。いやまあ、電車以外の鉄道車両が嫌いとは言いませんが、好きのレベルが違うと言うことです。

 そんなことは、ずっと前から分かっていたことではありますが、こうして森氏の活動を本を通して見ることによって、再確認できたような気がします。

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