2003年07月22日
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PC-9801に接続されたICM製の3.5インチMOドライブにOS/2で書き込んだファイルは、Windows2000で読み出せるか?

Written By: 川俣 晶連絡先

 さる理由で、Visual Basic 2.0が必要となりました。

 セットアップFDは捨ててはいないはずですが、所在が分かりません。Visual Basic 2.0(の標準パッケージ版)は、フロッピーディスク3枚組とコンパクトであるため、容易に他のフロッピーディスクに紛れてしまうのです。

 幸い、3.5インチMOドライブにセットアップイメージが保存してありました。最近では理解できないことかもしれませんが、CD-ROM普及前のセットアップはフロッピーディスクの抜き差しが多く面倒であったのです。そのため、うちではMOメディアにセットアップのフロッピーディスクを全てコピーしておいて、そこからセットアップするということをやっていました。これで、途中で時々フロッピーディスクの抜き差しするという手間から解放されたのです。実際、フロッピーディスクの抜き差しは非常に面倒な作業でした。抜き差しが必要になるまでじっとコピーを見つめていると、延々と待たされることになるし。かといって、他の作業をしていると、調子が乗ってきたところで抜き差しのために作業が中断させられてしまいます。

 それはさておき。当時MOドライブは貴重品でした。現在のPCなら、全てのPCにCD-ROM(あるいはその上位のドライブ)があるので、CD-Rに焼いておけばどのPCでもすぐ使えます。それ以前に、セットアップ媒体がCD-ROMなら、そのまま使えるわけですね。余計な手間は要りません。しかし、MOドライブが全てのPCに装備されていないとすれば、どう対処すべきか。その答を、まだ当時日本では普及が始まったばかりのLANに求めていました。ファイルサーバにMOドライブを接続し、それをLAN経由でアクセスすることで、いろいろなソフトウェアのセットアップを行うようにしていました。

 その際、ファイルサーバにはPC-9801RA21という往年のIBM非互換パソコンを使い、ネットワークOSにはマルチベンダー版LAN Manager 2.1というものを使用していました。マルチベンダー版というのは変な言葉ですが、それには理由があります。それまでのLAN Managerはマイクロソフトが直接売るのではなくOEMメーカーから販売されていました。しかし、ベンダーごとに非互換性があって、それはまずいだろうということで、互換性を検証したものをマルチベンダー版として販売するようになったものです。

 当時のネットワークOSとしては、Netwareが圧倒的に主流でしたので、LAN Managerを使っていたことは、かなり「変な奴」という意見を頂戴しました。ですが、Windows for WorkgroupsやWindows NTなどとの相互運用性もまったく問題なく、結果として非常に良好な利用実績を残しています。

 とはいえ、ここで問題が1つあります。それは、サーバがIBM非互換パソコンであるPC-9801で稼働していたということ。そして、それに接続されていたのはサードパーティーであるICM社(現存しないはず)の互換モードを持つドライブであること。更に、OSが既にマイクロソフトから否定されたOS/2であったことです。この構成で書き込んだMOメディアに、今必要となったVisual Basic 2.0のセットアップイメージが書き込まれているのです。

 では、現在、私の手元にあるMOメディアを読める環境はというと、640MBのMOドライブを装備したWindows 2000のテストマシンだけです。

 はたして、このメディアを、このマシンで読むことができるでしょうか。

 IBM互換機ではないパソコンで書き込んだメディアであって、しかもドライブは純正はなく、OSもNEC独自仕様を含んだOS/2です。

 更に、MOメディアのフォーマットは、いろいろな問題がありました。初期には相互に互換性のないフォーマットが乱立したり、fdisk形式のスーパーフロッピー形式の相違による混乱もありました。日本独自のスーパーフロッピー形式はOS側がデフォルトでサポートしていない事例もありましたが、おそらく問題MOメディアはスーパーフロッピー形式だと思われます。

 というわけで。おそるおそる入れてみたところ。

 認識しません。

 入れ直しました。

 認識しました! 何とちゃんと読み出せました!

 素晴らしいです!

 実際にファイルをコピーしてみると、2箇所でコピーエラーが発生しました。おそらく媒体の劣化によるエラーでしょう。今回必要ではないファイルだったので、とりあえず問題はありません。

 他のMOメディアも何枚か試してみましたが、何回か入れ直すと認識するものと、どうしても認識しないものがありました。メディアの劣化もありそうですが、それだけでなく、どうもMOドライブそのものも既に古くなっていて、今ひとつ動作が信頼できないような気がします。

 しかし、論理フォーマット的には、こんなに古い環境で書いたメディアでも、Windows 2000で扱うことができる、という結論で良いようです。

 これはとても嬉しいことですね。

 こんな古い、しかも東洋の特殊なパソコンで書いたメディアをきちんと読めるようにするメリットは、それほど大きくはないと思います。しかし、それをきちんとやってくれたことが嬉しいですね。こういう、妙なところでマイクロソフトが見せる互換性維持のための情熱は、なかなか嬉しいものです。

 追記。

 これだけのドタバタをやった挙げ句、実は、Visual Basic 2.0で書かれた問題のソースは既にVisual Basic 6.0のプロジェクトに変換済みで、Visual Basic 2.0は必要なかったということが発覚。しかも、Visual Basic 6.0はメインマシンに昔からインストールされていて、改めて入れる必要もなかったという……。まさに、とほほ。

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