6月18日に、イースト株式会社の代表取締役社長であった故・丸山雄三さんの「お別れの会」に行ってきました。
丸山雄三さんとの縁 §
イースト株式会社との縁は、MSKKの社員時代にまで遡ります。
その頃外注として、とある会社とイーストに仕事を発注したことがありますが、とある会社の方はそもそも要求した仕事ができなかったという驚くべき状況。イーストさんは、ちゃんと動くものを納品してくれました。ある時期、Windows関係の仕事を頼んで、きちんと成果を出せるのは日本ではイーストさんだけだったのかもしれません。
その当時からお付き合いがあったのは下川和男さんであって、丸山さんとはまるで縁がありませんでした。
丸山さんとは、たまに会って挨拶することはあるにせよ、それなりの付き合いが発生したのは、ごく最近のことです。
イーストさんの方にもFOAFっていう技術があるよ、という話をしたところ、丸山雄三さんが興味を持って、それを説明するようなことがありました。これが去年の6月頃の話です。
その時は、とても元気そうに見えました。
まさか、1年後にこのような状況になろうとは。
5月28日病気療養中の処永眠だそうです。
密葬? お別れの会? §
葬儀は密葬として行われ、そのあとで「お別れの会」なるものへの開催案内が送られてきました。(そこで初めて私も知りました)
有り難いことに、「密葬」は既に経験済みだったので、その意図は理解できました。本来の意味はともかくとして、現在「密葬」と呼ばれているのは家族、近親者だけで行う葬儀です。そのあとで、「お別れの会」というものを行う習慣があることを、調べて知りました。
しかし、それが具体的にどのようなものか、さっぱり分かりません。服装は? 香典は? マナーは?
新しい習慣なのか、従来型の葬式のように充実したFAQも無く、「ええい、ともかく行こう」と腹をくくりました。
式典 §
ともかく香典を持って会場であるホテルに行くと。
大きな部屋にずらっと椅子が敷き詰められていました。たぶん500席ぐらいあったと思います。その席が次々と人で埋まっていくのは凄いですね。
さすが、丸山さん。イーストの力も、これほど大きなものがあると驚かされました。
具体的な式典の内容は全く予測不可能でした。
実際に行われたのは、音楽の生演奏、経歴の読み上げ、代表者によるお別れの言葉、献花などでした。
献杯 §
式典の最後は献花で、花を添えたあと、そのまま隣の部屋に誘導されました。
そこでは立食パーティー形式の部屋が用意されていて、献杯が行われました。
そこで、いろいろな人と会えました。
まず、VJEで有名なVACSの萩原さん。しかし、今やヤフー株式会社の日本語処理技術部部長です。この凄い人選によって、Yahooが日本語に関して何か凄いことを見せてくれる可能性も出てきたと思います。いつまでもgoogleの一人勝ちは続かない?
マイクロソフトの古川享さんとも、ずいぶん久しぶりに言葉を交わしました。しかし、せっかく古川さんが前に出てマイクに向かって喋っている時でも、ほとんどの人はそれを聞かないで私語を交わしたまま、というのは大いに問題のあることだと思いました。古川さんほど大きな影響力のある人が喋っているのに、そのような事実を把握することができない人ばかり、というのはどういうことでしょう。もはや古川さんは過去の人だと思われている? それとも、もはや古川さんの名前すら知らない? あるいがオープンソースの時代に「負け組(笑)」マイクロソフトの人間など注目する価値もない? いずれにせよ、どこかで断絶がある、ということは確かなようです。(マイクロソフトを負け組扱いしているとすれば、そんな風に思う人達の未来の方がかえって危ないように思いますが)
ちなみに、断絶がある、と言ったのは、(元なのか、今でもそうなのか確認忘れましたが)自由国民社の長谷川さんでした(http://www.jiyu.co.jp/ は現代用語の基礎知識を出している出版社)。これは古川さんとは別に、直接二人で話をしている時に出た言葉です。その他に、どういう表現だか忘れましたが、年長者は若者をガツンとやる義務がある、というようなことも言っていました。私が、若い人達に向かって、「おまえら馬鹿だろう」と言っているに等しい言葉を投げかけるのと同じような趣旨ですね。若者は、そうやられて「こんにゃろ。見返してやる」と闘志を燃やしてもっと強くなろうと努力しなければなりません。若いうちから自分は完璧で賢いなどと思い込んで努力を放棄したら、いちばん損をするのは本人ですからね。嫌われ者になってもきついことを言うのは、とても善意溢れる行為です。まあ、それが理解できるのは、お世辞にも若者とは言えない年齢になってから、ということも事実ですが。
その他にもいろいろ §
その他にも、いろいろな人といろいろ話しましたが、大変に有意義な時間を過ごすことができました。
このような機会を「命と引き替えに」作ってくれた丸山さんに大々感謝。
どうか、安らかにお眠り下さい。
幸いにして、イーストの跡を継ぐ人達は、新しく役員になった磯山さんも含めて頼りになりそうですので。