2004年07月05日
トーノZEROアニメ感想蒼穹のファフナーtotal 4857 count

今のアニメ界に、まさかこんなに良質なロボットアニメをまだ生み出しうる力があったとは!

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日の蒼穹のファフナーの感想。

サブタイトル §

第1話 「楽園 ~はじまり」

第2話 「告知 ~いのち」

あらすじ 第1話 「楽園 ~はじまり」 §

 平和な日常を送っている島。

 しかし、ある時警報が鳴り響き、島に隠された防衛兵器が姿を見せます。島民の大人達はみな日常の姿から戦う姿となり、地下の施設に入ります。

 しかし、圧倒的な攻撃者は、まるで全て読んでいたかのように島の迎撃を退けます。

 子供達は、シェルターに非難させられます。しかし、主人公の少年は、最後の切り札の巨大ロボットに乗り込みます。

 その友人は、本部から彼に一体化し、アドバイスするような形で支援します。

あらすじ 第2話 「告知 ~いのち」 §

 主人公達は、多くの犠牲を払い、攻撃者を撃退することに成功します。

 戦いのあと、かりそめの楽園の姿を捨て、戦う真の姿を見せた島に、子供達は戸惑います。

 主人公は意志の診察を受けます。そこで何か重大なことが明らかになったようですが、父親にしか知らされません。

 主人公は友人から、既に日本は存在しないことを知らされます。この島だけが楽園だったと言うことが明らかになります。

 そして主人公はロボットの操縦訓練に駆り出されます。

感想その1 シリーズ構成は誰だ!? §

 事前にTVCMで宣伝的な映像を見ました。その時の印象から言えば、エヴァンゲリオンとラーゼフォンとガンダムSEEDを足して10で割ったような、とても肯定的に評価できるようなものではないと感じました。たとえば、町中に出てくる防護壁はエヴァを連想させるし、南の島であるとか得体の知れない何かが迫ってくる感じはラーゼフォンに似ています。そして、君はアスラン?と反射的に思ってしまうようなキャラの感触がSEED似という部分はあると思います。

 しかぁ~~~~~~~し。

 そのような印象は全て誤りでした。

 ある意味で、エヴァンゲリオンとラーゼフォンとガンダムSEEDを全て乗り越えて行きかねない力強さを感じさせます。ロボットアニメというジャンルで、これほどストレートに、既存の作品を乗り越えていこうという力強さを感じさせてくれる作品に出会えるとは予想もしていませんでした。これは凄いですね。確かに、今のアニメ界は長い黄昏の時を生きているかもしれませんが、それでも非常に良質な作品を生み出しうる力を持っています。しかし、そうやって生まれる良質な作品とは異質の、若いチャレンジ精神がこの作品には感じられます。(もちろん、それが最終回まで持続するかは別問題ですが)

 そこで、いったい何者がそれを成し遂げたのか。思わず、監督とシリーズ構成の名前をチェックしてしまいました。

監督 : 羽原信義

シリーズ構成 : 山野辺一記

 羽原信義さんといえば、マシンロボを思い出しますが、ちょっと気になる名前として記憶していたものです。普通のアニメを普通に監督する人……ではないかもしれません。

 しかし、山野辺一記さんという名前には全く心当たりがありません。どうも、アニメというよりも、ゲーム関係のシナリオで活躍していた人のようです。つまり、アニメにおいてはフレッシュな新人と言うことですね。おそらく、これまで溜まりに溜まったものを、アニメというフィールドに叩き付けてきているのでしょう。それだけ、シナリオにパワーがあります。しかも、シリーズ構成という極めて作品の根幹を生み出す役職に就いているわけですから、作品全体にパワーが伝播しているような感じも受けます。

感想その2 グッと迫る演出 §

 まず凄いのが、日常から非日常に転換する驚きですね。本当にのんびりした楽園のような島。その日常が、戦闘という非日常に転換していく鮮やかな驚き。

 特に、空が消えていくという描写が凄いですね。空が消えたからと言って、何か特殊なものが見えるわけではありません。空が消えて、別の空が見えるだけです。それが、何やら異質で異常な出来事が起きていることを、強く印象づけますね。

 戦いが起こっている状態で、山の向こうから光が見えるという描写も良いですね。一般人が見ている目の前でロボットが殴り合っているようなアニメが多いですが、それよりも遠くの見えないところで何かが起こっている描写の方が恐ろしさが上ですね。しかも、その方がスケール感が大きいです。

 その上、突然発生する黒い球体で消えていく一般人の描写。機動戦士ガンダム第1話でフラウ・ボゥが吹っ飛ぶシーン以来、民間人に迫る危機をいかに描くかが1つの挑戦されるべきテーマになっていたかもしれませんが、これはガンダムとは全く違う方法できっちりと描ききったと言う感じですね。見事です。

 第1話にしてパイロットを脱出させ消えて無くなる主人公のロボット、という描写も凄いですね。本来なら、ヒーロー的な存在として作品に君臨しなければならない存在であるのに、あっさりと消えて無くなります。そして、パイロットは、きちんと脱出させられます。その脱出も、スリリングな演出によって見せ場になっていますね。

 「あなたはそこにいますか」と問いかける謎の存在。そして、答えたら取り込まれるという恐怖。まるで妖怪のようですね。

 そして、浸食。機会の中に入り込んでくる何かの恐ろしさ。

 離れたところに居ながら、一緒にいるかのようにアドバイスする友人。

 誰もが本気で頑張っているのに、押されて負けそうになる緊迫感も良いですね。仲間に子供っぽく足を引っ張る奴がいたりしないのが良いです。それにも関わらず、徐々に負けていく描写は、独特の無力感を醸し出しますね。

今回の一言 §

 第2話で特に「おおっ」と思ったのは葬儀の描写です。けして、仰々しくセレモニーを描いているわけではありませんが、喪服だけでそれが葬儀であることを示しているのが良いですね。あれだけ人が死んで、それに対してきちんと葬儀をしていて、みんながそこに来ているという描写は、非常に秀逸だと思います。

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