どうしてか分かりませんが、非常に面白かったです。
内容的には、発掘された結果と、少数の資料を突き合わせて旧新橋駅の施設の変遷を考察しているわけですが。ほとんどの内容は資料とそこから個別の施設の場所や変遷の推理となっていて、エンターテイメント性はあまりありません。鉄道マニアにもアピールしないと思います。
それにも関わらず、面白いと思って読み切ってしまいました。不思議ですね。
たぶん、著者の知的にストイックな態度が好感かつエキサイティングに感じられたことと、分かりそうで分からない明治の施設が具体的な証拠を元に明らかになっていくことが面白いからでしょう。
そう言うわけで、非常に面白い良書だと思いつつ、(このあえてが通じないと言われる時代に)「あえて」そういう本を読もうという元気溢れる人以外にはお勧めができないような気がしてみたり……。