2004年07月12日
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アジャイルソフトウェア開発の奥義 ロバート・C・マーチン ソフトバンクパブリッシング (感想その1 YAGNI?)

Written By: 川俣 晶連絡先

 時間がないので、少しずつ読んでますが。

 とりあえず第2章はほとんど飛ばしました。XPの初歩的な話は、ちょっと退屈でありすぎたので。(どこかで読んだような記憶のある話もあるし)

 で、以下の場所ではたと止まりました。

p116より

アジャイル開発の場合、データを紙テープリーダから読み込むように上司から要求されたら、今後同じようなことが起きた場合に対応できるように変更していたはずだ。

 複数のデバイスからの入力をよりシンプルに扱うために抽象クラスを導入したりするのは理解できることで、結果的により多くのデバイスの追加がやりやすくなることはあるでしょう。そこは分かるのですが。問題は、この文章が抽象クラスを導入する理由として、「現在時点でのシンプルさ」ではなく、「今後同じようなことが起きた場合に」と書いていることです。未来に起こるかもしれないことに今から備えることは、XP的にはYAGNIとして行うべきではないとしていると私は解釈しているし、この文章の周辺にも、それに類する説明文が見られます。

 と言うことは、この著者は頭ではXPを分かっているつもりでいながら、身体には古い常識が染み込んでいて、文章が矛盾して分裂してしまっている?

本書の他の感想編はこちら:

感想その2 再びYAGNI

感想その3 悪書暫定認定