謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日のDESTINYの感想。
サブタイトル §
第1話「怒れる瞳」
あらすじ §
前作、ガンダムSEEDの物語の中の出来事。連邦によりオーブが攻撃されているとき、その中でシン・アスカは両親と妹と共に避難していました。しかし、妹が落とした携帯を拾おうとシンが彼らと離れたときに流れ弾が飛んできて、両親と妹は死にます。
そして、戦後。
時代は平和に向かっていました。
オーブの国家元首となったカガリは、アスランを護衛にしてプラントのデュランダル議長に、お忍びで会いに行きました。お忍びであるため、軍事基地が会談場所になっていました。
そこで問題になったことは、オーブの技術と人材をプラントが軍事利用していることに対して、オーブ側からの質問にプラントが答えないことでした。
しかし、プラント側も平和を望むことは同じだとデュランダルは言います。そして、平和のためにこそ軍事力は必要だと言います。更に、カガリがこのようなことを言う背景に、大西洋連邦の圧力があるのではないかと示唆します。
そのとき、3人の若者が基地に侵入し、新型ガンダム3機を奪い取り、基地を破壊し始めます。
アスランは、カガリを助けるために、倒れているモビルスーツに二人で乗り込みます。そして、2機の新型ガンダムと同時に戦うことになり、ピンチに陥ります。そこに新造艦ミネルバから発進したシンの操縦するインパルスガンダムが到着します。
感想 フラウの悲劇と同じことか? §
いきなり、両親と妹を失う主人公という衝撃的なシーンからの幕開け……、と言いたいところですが、これはファーストガンダム第1話でフラウの家族が吹っ飛ぶシーンと同パターンであるため、大きな衝撃というほどのものではありませんでした。しかし、単に同じことを繰り返しているだけなのね、と単純に言い切れる内容ではありません。
まず、この出来事が、かつてガンダムSEEDの登場人物達が必死に戦っていた出来事の足下で起きていたということ。カガリの父の自己犠牲へと続く感動的な正義のための戦い(と私は思っていたわけではありませんが)の足下で、こんなにも無惨な出来事があった、という描写は実にある種の誠実なバランス感覚を感じさせます。
そして、ファーストガンダム第1話と決定的に異なる点は、家族を失って絶叫する主人公には、乗り込むべき「父が作った凄いロボット」も無ければ、そんなロボットに乗って敵を倒してくれるヒーローたるべき少年も身近にいないと言うことです。つまり、その場において、超兵器によって繰り出される巨大な暴力のカタルシスによって、残虐シーンの衝撃を解消できないと言うことです。その後、戦争への怒りが彼の中に解消されずに残っていたことでしょう。であるからこそ、彼は今回の最後のシーンで、「なんでこんなことを。また戦争がしたいのか、あんた達は」と叫ぶことになります。
しかし、彼の純情な思いは、自らが大きな軍事力を行使する立場に立ったことで、ストレートには成就できない宿命がありそうです。その点で、カガリを助けるためにやむを得ずモビルスーツに乗り込んだアスランとは立場が決定的に違います。
はたして、彼は反戦の気持ちと戦いの現実にどう立ち向かっていくのか。楽しみですね。
もちろん、そんな彼の純情な気持ちと同居しているスケベ心も楽しみですね。いきなりぶつかった女の子を助ける拍子に胸まで触っているし。
感想 3人の若者達 §
さて、一方でガンダムを奪った3人の若者達。彼らはいったい何者なのか。それはまだ明らかにされていませんが、特種な訓練を受けた極めて優秀な人材であることは間違いないでしょう。さりげなく出てきた台詞から推測すると大西洋連邦、ブルーコスモス、テロといったキーワードと関係があるのかもしれません。ガンダムSEEDという作品が持っている時代的なリアリティからすれば、正規軍と正規軍が戦うというよりは、狂信者がテロ的な行動を取ることによって悲劇が発生するようなドラマは十分に考えられます。が、妄想を暴走させてもしょうがないので、この話はこのあたりで終わりましょう。
感想 ビジュアル表現 §
ビジュアル表現的には、奪ったガンダムが起きあがるシーンで、コクピットの横で回転する外の風景が見えるところが一番グッと来ましたね。このシーン、外の風景が廻っているように見えますが、実際にまわっているのは彼ら本人です。その倒錯感が、まさに自分もコクピットの中にいるような錯覚を感じさせて、ドキドキしますね。
感想 主役メカは4機合体 §
そして、登場する主役メカ、4機合体インパルスガンダム。第1話に、主役メカの合体シーンを入れるのは玩具メーカーへの仁義でしょうか。それをきちんと果たしていることになりますね。しかし、合体をラストシーンに持っていったのは、作品構成的な良心と言えますね。このドラマで、合体から勝利までを第1話に詰め込むとすれば、おそらくは構成が破綻します。
それにしても、4機合体というのはかなり思い切った選択に見えます。ファーストガンダムはAパーツ、コアファイター、Bパーツの3機(3パーツ)合体で、コアファイターを持つガンダムはこのフォーマットを継承してきたと言えます。更に、3という数字はガイキングのあたりまで遡る王道と言えるかもしれません。(ゲッターロボはちょっと別物だと思いたい)。それに対して、4機合体というのは、急に言われてもあまり事例を思いつきません。一応、アオシマのプラスチックモデルのレッドバロンを初めとするロボットや戦艦シリーズは4機合体だったと思いますが、かなり例外的という気がします。マシンロボレスキューのマシンコマンダーロボも一応4機合体になるのかな? 5機ならコンバトラーVなど、いくらでも事例がありますが4機はレアという気がします。そういう領域に踏み込んでいくDESTINYはいったい何を見せてくれるつもりなのか。とりあえず、それが気に掛かる、と言うことだけ書いておきましょう。
今回の名台詞 §
アスラン「こんなところで、君を死なせるわけに行くか」
熱い。熱いなアスランは。男の子はこうでなくちゃ。