本書の入手編で、以下のように書きました。
と思ったものの、何しろ中を開いて中身を確認できませんから買うのはギャンブルです。
それでも、引っかかるものがあったので買ってみました。
さあギャンブルに勝ったのか負けたのか。
結果は感想編に!
では、結果はどうだったのかといえば。
ギャンブルには勝ちました。
中身は予想よりも遥かに良いものでした。
ヒロインは一人 §
まず良かったのは、ヒロインが一人だけであることです。
カタログ状に多数の女の子を並べて、お好みの娘をどうぞ、という形を取っていません。
これは非常に好感です。
私は、作者が本当に魅力があると信じるヒロインが一人いれば十分だと思います。逆に、いろいろなタイプを取り揃えるのは、作者として突き詰めが甘くなるだけのことであり、読者から見れば印象が曖昧になるだけです。
恋のライバルに頼らない §
ラブコメなら、恋のライバルでドラマを盛り上げるのが定番……かもしれません。
しかし、この作品、少なくとも第1巻には、恋のライバルと呼べるほど存在感のあるキャラクターが出てきません。
つまり、主人公の男と、ヒロイン、その二人の人間関係のドラマだけでほとんど1冊が成立しているということです。
これは非常に特筆すべきことであって、作者の並々ならぬ力量と見識を意識させます。
表紙の工夫 §
実は、表紙に描かれたヒロインは、膨らんで浮き上がる加工がなされています。
本屋で非常に目立って見えた理由のうちに、それがあるかもしれません。
非常に感心した良作 §
見かけの派手な色ものっぽさと裏腹に、非常に内容には感心させられました。
こういう良い作品が世の中にはあるのですね。