2004年12月25日
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推理小説? 技術者こそこの電子書籍小説を読め!! (と熱弁してみたりする)

Written By: 川俣 晶連絡先

 弊社の電子書籍の件をXMLユーザーメーリングリストにちょっと書きました。

 内容を引用しておくと。

 川俣です。

 うちの会社で扱っているeBookの販売システム(イーストで稼働しているシステム)のソフトがバージョンアップされ、それに関連して誤ったID番号の振り直しなども発生しました。それで、こちらも以下のページ内容の確認と再チェックなどを行っていました。

http://www.piedey.co.jp/pub/

 チェック中に、自分でレイアウトしておきながら「あっ」と思ったのは以下の電子書籍です。

> 電子商取引殺人事件

http://www.piedey.co.jp/pub/index.html#B102030014

 殺人事件が起きるいわゆる推理小説ですが。

 各章の扉にXML文書モドキが書かれています。

 無料の立ち読み版でも、プロローグと第1章の部分を見ることができます。

 (Adobe Reader 6.0以降がインストールされていれば、下記をクリックするだけで見られます)

http://thistle.est.co.jp/pdf/free/gblink.asp?bookID=PDP0016

 この小説、本編中にXMLという言葉は1つも出てきませんが、電子商取引(BtoB)といえばXMLに深い関連がある、ということで、意味ありげな言葉がXML風のタグに囲まれて各章の扉の「飾り」に付いています。

 という、さりげないムード作りが的確に理解できる読者はどれぐらいいるのか、と思わずDTPソフトでレイアウトした過去の自分に突っ込みを入れてみたり (笑い。このメーリングリストのメンバーであればお分かり頂けるだろうと思いますが^^;。

 余談。

 ちなみに、電子出版、というよりはUnicodeバッシングネタで突っ走る以下の「前作」は、カーネルのメッセージ風の文字列が入っていたりしますが、これも分かりにくそう……^^;

> 電子出版殺人事件

http://www.piedey.co.jp/pub/index.html#B102030001

 というわけで、以上は前振り。

 以下は本題です。

これは誰のための小説か? §

 この2作の主人公、堀田ことホラムズは、基本的にフリーのプログラマであって、開発現場を皮膚感覚で知っている人間です。彼自身は、独立して悠々と仕事をしているように見えますが、様々な修羅場を知っていることは、年下の友人であるパステルへのアドバイスから見て明らかでしょう。

 そして、堀田が直面する状況は、修羅場を発生させる非技術的な要因の数々です。たとえば、電子出版殺人事件で彼が直面するのは、技術のことなどろくに分かっていないのに勝手な要求を並べたり、あらぬ非難を投げつけてくる者達です。

 そして、電子商取引殺人事件に至っては、詐欺まがいのベンチャービジネスに巻き込まれた者達の苦悩に、開発現場の視点から向き合わねばなりません。なぜ、絶対に儲かるはずのプログラム開発(ローカライズ)が破綻していくのか。そのメカニズムを読者と共に見ていくことになります。

 ピーデー出版事業部の担当者として、これを発売した時点ではあまり深く考えていませんでしたが。今になって思えば、これは技術者に読んでもらうための小説だろう、という気がしてきました。現場で実際のシステムに向き合っている者達の視点があればこそ、何か感じ合うものがあるのではないかと感じます。

 というわけで、ここで熱く強調しておきましょう。

技術者の皆さんにこそ、これを読んで頂きたい!

 と、ここで気弱になって、一言付け加えてしまったり。

(立ち読み版はタダだし、Adobe Reader 6.0以降がインストールされていればすぐ読めるので……)

口直しはこちらで §

 ちなみに、電子商取引殺人事件のプロジェクトは破綻してしまいますが、別の作品ジェネシスウィザード7の方は、ゲーム開発ネタではありますが、奇跡的に危機的なプロジェクトが持ち直して成功する話です。

 こちらも、ぜひどうぞ。立ち読み版はタダですので。

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