弊社の電子書籍の件をXMLユーザーメーリングリストにちょっと書きました。
内容を引用しておくと。
というわけで、以上は前振り。
以下は本題です。
これは誰のための小説か? §
この2作の主人公、堀田ことホラムズは、基本的にフリーのプログラマであって、開発現場を皮膚感覚で知っている人間です。彼自身は、独立して悠々と仕事をしているように見えますが、様々な修羅場を知っていることは、年下の友人であるパステルへのアドバイスから見て明らかでしょう。
そして、堀田が直面する状況は、修羅場を発生させる非技術的な要因の数々です。たとえば、電子出版殺人事件で彼が直面するのは、技術のことなどろくに分かっていないのに勝手な要求を並べたり、あらぬ非難を投げつけてくる者達です。
そして、電子商取引殺人事件に至っては、詐欺まがいのベンチャービジネスに巻き込まれた者達の苦悩に、開発現場の視点から向き合わねばなりません。なぜ、絶対に儲かるはずのプログラム開発(ローカライズ)が破綻していくのか。そのメカニズムを読者と共に見ていくことになります。
ピーデー出版事業部の担当者として、これを発売した時点ではあまり深く考えていませんでしたが。今になって思えば、これは技術者に読んでもらうための小説だろう、という気がしてきました。現場で実際のシステムに向き合っている者達の視点があればこそ、何か感じ合うものがあるのではないかと感じます。
というわけで、ここで熱く強調しておきましょう。
と、ここで気弱になって、一言付け加えてしまったり。
(立ち読み版はタダだし、Adobe Reader 6.0以降がインストールされていればすぐ読めるので……)
口直しはこちらで §
ちなみに、電子商取引殺人事件のプロジェクトは破綻してしまいますが、別の作品ジェネシスウィザード7の方は、ゲーム開発ネタではありますが、奇跡的に危機的なプロジェクトが持ち直して成功する話です。
こちらも、ぜひどうぞ。立ち読み版はタダですので。