今日は哲学堂公園に行ってきました。
かつて、このような施設の存在を、私はまったく知りませんでした。
しかし、こんな趣味でうろつき回っていれば、それに突き当たるのも時間の問題。
第1印象は、「なんだこれは!!」というものでした。ともかく、変な名前の変な建物がたくさんある公園らしい、というだけでなく、名前すら「哲学堂公園」とまるで公園らしくありません。旧古河邸庭園であるとか、浜離宮恩賜公園のような名前なら素直に受け止められるわけですが。そういう地名人名施設名のような一般常識的な範疇から完全に逸脱しています。
場所も、ある意味で私から見て死角になり、いちばん行きにくい西武沿線方面です。(西武新宿線沿線はたとえ距離的に近くても、新宿を経由しなければ行けず、新宿の乗り換えには長距離の歩行を要する。更に西武池袋線と来た日には新宿→池袋を経由して大回りしないと行けない)
それでも行こうと思ったのは、いくつか理由がありますが、最大のものは歩行量が多そうだと感じたためです。
more歩行量 §
実は、新宿で乗り換えの際に、本を探して西口側から出て、南口方面をまわって、西武新宿駅まで歩いたので、かなり遠回して歩行量が増えました。
西武新宿線で新井薬師前に行き、そこからまた歩行……。
やっと到着しても、中は驚くほど広大で、更に歩行。
じつは、その後も日暮里まで行って墓参りしたので、ますます大歩行量。
自分がこんなに歩けるとは思いませんでした。
帰ってくる最後の方は、真剣に足を動かすのにも難儀したほどです。
これほど精一杯歩いたことは、最近では滅多にないような気がします。
裏を返せば、これだけ歩いた後でこのような文章を余裕で書けたということは、多少なりとも自分の体力に自信を持てた経験でもあります。
斜面の庭園という特徴 §
公園内の運動量が増える理由として、それが斜面の庭園であるという事情があります。つまり、平面移動ではなく、高度差を伴った移動が含まれるために、地図上で見る見かけ上の距離よりも遠く感じます。
このような、斜面の庭園は、前にも見たことがあります。旧古河庭園です。
しかし、こうまで露骨に斜面ではない庭園も小石川後楽園や浜離宮恩賜庭園など珍しくありません。
では、両者はどう違うのか。
実は、斜面の庭園である哲学堂公園と旧古河庭園は、どちらも明治以後に作られたという共通点があります (哲学堂公園は明治39年、東洋大学創始者井上円了がデザインしたそうです)。そして、この条件に当てはまらない小石川後楽園や浜離宮恩賜庭園は、江戸時代に作られた庭園です。
このような分類に意味があるのかどうか分かりませんが、近い印象を持った庭園が時代的にも近いというのはちょっと興味深いところです。
妙正寺川調整池 §
本筋と関係なく興味深かったのか、哲学堂公園のすぐ南側にあった施設です。
この下に、洪水対策用の調整池があるそうです。
不自然な地形という気がしましたが、なかなか奥深いですね。
うちの近所の神田川では見たことがないものです。
ネオマイム哲学堂公園 §
帰りの電車に乗ろうと新井薬師前駅まで戻って見かけて面白かったのがこれ。
哲学堂公園という古びた不思議な名前に、新しげに意味不明なネオマイムという言葉を結び付けたネオマイム哲学堂公園というネーミングは、予測不可能な言語のアクロバットという印象を受けました。しかし、こんな名前の集合住宅に住む人達は、これで良いのでしょうか? (笑。