前著の「『Shall weダンス?』アメリカを行く」は実に価値の大きい本でした。
まず、『Shall weダンス?』という映画そのものが面白い。
しかも、「『Shall weダンス?』アメリカを行く」という本も面白い。
その上、宮崎駿監督の「もののけ姫」がアメリカで公開される際には、先行きを予測するために非常に多く有益な示唆を与えてくれました。
その続編となるこの本を読みたいと思っても無理はありません。
やはり面白かった §
実際に読んでみた結果ですが、最後の方を除けば、やはり面白い内容でした。最後の方というのは、オリジナルとアメリカでのリメイク版の違いや、新聞の映画評などです。何せ、リメイク版は全く見ていないので、このあたりは興味が持続できませんでした。
表現者としての共感と興味 §
自分の作品が異文化の担い手によって、手の届かないところでリメイクされる様子を見ているというのは、なかなか興味深い出来事だと思います。しかも、原作小説→映画というスタイルではなく、映画→映画ですから、身近によくある話題とは本質的に異なります。そこには、表現者としての共感と興味という領域が存在します。いかにして見せるかという部分には、明らかに技術解説文書を書くという行為との共通点もあるのですよ。
周辺にも面白い話題 §
ちなみに、主テーマだけでなく周辺にも面白い部分があります。たとえば、映画「スウィングガール」をアメリカでプロモーションするために、セーラー服を来た女の子達がジャズを演奏しているであるとか。
熱烈なる「スウィングガール」ファンのshinyさん、この本を買ってみて読んではいかが? もっとも、「スウィングガール」関連の記述は極めて少ないですが…… (汗。