2005年09月11日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 2722 count

金魚屋古書店 2 芳崎せいむ 小学館

Written By: 川俣 晶連絡先

 金魚屋シリーズに入れ込んでしまう理由は何か。

 それは、卓越した言語感覚にあると言えます。

 つまり、言葉の使い方が、あまりに上手い。

 それこそ、凡庸なライター、つまり絵抜きで言葉によって勝負するはずのプロよりも上手い……。

 そして、それに絵が付いてきます。

 これは極上のご馳走ですね。

 そのような印象は、この2巻でも変わりません。

 否、たとえば第10話「窓のむこう」で読み上げられる宮沢賢治作品を言葉を用いる言語センスなどは、前にも増して壮絶であると言えます。

のだめ、NANA、はちくろ…… §

 店長が本屋で買っている少女漫画が、のだめカンタービレとNANAとはちみつとクローバーです。

 のだめは全巻読んだし、NANAは1巻だけ読んでいずれ2巻も読もうと思っているし、はちくろはアニメでちらっと見たことがあります。

 うーん、私に分かる作品ばかり……。

 ちょっと驚き。

EF53とC53 §

 トメさんが興奮する鉄道ネタ。

 うーん、渋い趣味です。

 ちなみに、C53というのは、たぶん国鉄型蒸気機関車で唯一の三気筒エンジンの装備車です。普通、蒸気エンジンのシリンダーは動輪の前の左右に1個ずつツ来ますが、C53だけは中間にもう1つあるのです。