今日は、父の付き添いで交通博物館に行ってきました。
交通博物館では、2006年5月14日の閉館を前に、旧万世橋駅遺構特別公開が行われていますが、それを見るのが主たる目的です。
ちなみに、異常な混雑ぶりであるという事前情報がありましたので、父の身体のことを考えても、比較的混まないであろう平日に行くしかないということで、平日予約を入れて行くことにしたものです。
ちなみに、カメラを持った膨大な人たちがいたので、今回は写真を付けていません。
閉館記念特別車両展示~懐かしの車両がやってくる~ §
「交通博物館横にある神田川沿い赤レンガの高架線上に、車両を特別展示」ということで、「寝台特急「出雲」号 DD51形ディーゼル機関車+オハネ25形客車+オハネフ25形客車」がありました。これは、万世橋から見ることができます。
ところが、行ってみると、万世橋には人がたくさんいて、皆高架上の車両を見たり、カメラを向けたりしています。
まさかっっ、平日の昼間だぞ!?
交通博物館の中に入ると、展示を見るのに困難を感じる客の入り。
本当に、「休日に来なくて良かった!」
旧・万世橋駅の中央階段 §
1つの謎が解けました。
交通博物館の1階、2両のSLが丸ごと展示されている箇所の脇、短い階段を上がった場所に休憩所があります。清涼飲料水の自動販売機などがあります。
この場所は、そもそも階段で上がる必然性が無く、全く不自然だと言えます。
ところが、ここに窓が設けられていて、「旧・万世橋駅の中央階段」が見えるようになっていました。つまり、ホームに上がるための階段です。
つまり、この不自然な休憩所は、本来は休憩所などではなく、ホームに上がるための踊り場だったというわけです。
旧万世橋駅遺構特別公開 §
さあ、これが本番です。
普段は入れない場所に案内されて入ります。
まずは、やや大きな暗い部屋に案内されます。石や煉瓦で作られた部屋です。
ここで万世橋の歴史に関する映画が上映されます。
おっと、これはびっくり。
これは遺構を見るイベントではなく、映画を見るイベントだった!?
映画の後、撮影タイムが与えられましたが、非常に暗いために撮影は難しいかも。
その後、ようやく待望の万世橋駅ホームの見学へ。
ところが、階段を上がった場所に外を見るための窓が設置されているだけで、ホームには出られません!
これまたびっくり!
目の前に、とって付けたような「しばいせんま」(まんせいばし)の駅名表示が立っていて、横手には高架上の寝台特急「出雲」号が見えます。
中央線201系のホーム通過を見ると、それ以上見るものはあまりありません。あまりに視界が狭すぎます。
いや、これで良いのか…… §
映画とホーム上の狭い視野。
これで良いのか……、と思いましたが、よく考えると良いのかもしれません。
膨大な人数が押し寄せる現状で可能なことは何か。
そもそも、来る人々の多くは、歴史の予備知識も持っておらず、行動に対する自己責任も十分ではないでしょう。
彼らに対して、それなりの充実感を与えて、危険を与えず、お帰り頂くとすれば、「映画とホーム上の狭い視野」は最善の選択なのかもしれません。
私のように、古い建物の公開を喜んで巡るような者を相手にした企画ではないのです。
さらば交通博物館 §
というわけで、これが最後の交通博物館訪問ということになるでしょう。
一応、ほぼ全体を流すように見ています。
ちょっとだけ感慨があります。
大きく精密な船の模型などは、移転先の埼玉の博物館(鉄道専門)には行かないので、特に惜しいような気がします。
帰り道 §
帰りはJR神田駅から中央線に乗り、見たばかりのホームを車窓から撮影しつつ帰りました。