川俣です。
XMLに関して面白い本が出ています。
XMLデータベース入門-Data on the Web-
[原著:Data on the Web:From Relations to semistructured Data and XML]
(ISBN4-320-12162-7)
Serge Abiteboul・Peter Buneman・Dan Suciu 著
横田一正 監訳
國島丈生 訳
B5変型,288頁,4000円
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/shinkan/shin0607_01.html
今日、仕事の打ち合わせの帰りに八重洲ブックセンターに寄ってちらっと眺め
てみましたが、なかなか面白そうなムードでした。
お金の都合でその場では買えなかったものの(4000円は高いよ!)、あとで必ず
買おうと決めました。
ちなみに、「XMLデータベース入門」というタイトルから、XMLデータベースあ
るいはXMLデータベース製品(NeoCore XMS等)の使い方が分かる本……と理解する
と誤りです。原著からあまりにかけ離れたこのようなタイトルを付けたのは、か
なり問題があるような気がします。
では、いったい何について書かれた本かといえば、上記URLから引用します。
/*
Webサイトに代表されるオンラインの情報の多くは,半構造のテキストデータに
よって構成される。本書ではこれらのデータの標準形式となるであろうと言われ
るXMLの文法から,半構造データに対する型やシステムについて詳説している。
*/
つまり、主テーマはXMLデータベースではなく、半構造データです。
しかし、単に半構造データを解説しているだけではありません。
上記URLにあるまえがきPDF形式から引用します。
/*
いままさにこの分野では,知的な発酵が激しく起こっている.「すべては文書
である」,「すべてはオブジェクトである」,「すべては関係である」という3
つの文化がぶつかりあっている.しかし実は,どの文化も,一匹の巨象を異なる
視点から眺めているにすぎない.
本書は,この3 つの文化の間の溝の架け橋となる.現在,3 つの文化の間で共
有されているものはXML しかない.正確に言えば,XML からいくつかの特徴を除
いたものしかない.3 つの銀河系をまたぐデータ標準語となるのはXML,または
その子孫に違いない.つまり,XML(またはその子孫)が,コンピュータの間で
やりとりされる半構造データや構造データの標準形式となるに違いない.
*/
要するに、文書、オブジェクト、関係(リレーション)を統合しようという壮大
な大風呂敷を広げているわけです。しかも、XMLではなく、「XML からいくつか
の特徴を除いたもの」を使うと言い切っています。
いや~、ドキドキワクワクする大風呂敷ですね。しかし、直感的に「実際に畳
る大風呂敷かもしれない」という予感を感じる大風呂敷でもあります。