ほほう。
これは面白い。
11巻とは全く違うムードですね。
ナポリの凄腕の仕立屋となった日本人ですが、気に入った仕事しかしない貧乏暮らし……という状況がまず面白いですね。
そして、服によって人を動かしてしまうドラマ性。
実は、これは他人事ではありません。
昨日、普段履いているウォーキングシューズを買い換えたのですが、たったそれだけで左足首の痛みが和らぎ、スムーズに長距離を歩けるようになり、気分も良くなり、仕事も進むようになりました。
そういう状況にいると、服によって人間のありかたそのものが変わってしまうという主張に説得力を感じてしまいます。靴でできたことが服でできない理由はないですよね?
ちなみに、靴、ズボン、椅子は個人的に重要ではないかと考えているところです。
ペテン師Bとしては…… §
小学校の学芸会で裸の王様の「ペテン師B」の役を演じた立場としては、裸の王様とは「仕立屋は王様すら手玉に取れる話だ……」という主張は何となく嬉しい気がしました。いや、ペテン師は仕立屋ではないので、けして自分の役柄を褒められたわけではありませんが。
それにしてもペテン師とは、主役なのに犯罪者という皮肉な役をやったものだと思います。