インストールしたWindows Vistaがやっと動き始めました。
しかし、満身創痍という感じです。
方針 §
常用環境をWindows Vista Ultimateでアップグレードしてみる。
お客さんが食べたいというものと同じものを食べねば、本当のことは分からないので。
たとえどれほど不味くても食べる。
インストール §
Windows XP SP2の状況環境をアップグレードでインストール。
仮想CD-ROMソフトでISOイメージをマウントして、実行。
所要時間はおおむね5時間弱ぐらい。
ちなみに、マシンは(DELL Precision 380 PentiumD 3.2GHz)。
半透明のウィンドウが見えた §
実は、前にベータの段階でインストールしたときは、半透明のウィンドウが見えなかったのです。初めて見ました。綺麗なものですね。マシンパワーの無駄遣いで実現しているものではありますが。
動作しないソフト多数 §
最初にログオンしたときに、動作しないエラーのメッセージが次々と出てきました。
FolderShareは、Document And Settingsのパスを記憶していて、そこがアクセスできないためにエラーになっていたようです。
FolderShareを含め、とりあえず無くても構わないツールなのでそれらは順次削除。
IEが固まる §
シンプルにIEを起動したら固まって操作できなくなりました。
既に組み込まれたアドオンの利用許可を問い合わせ中だったようですが、どこにも見あたらず。
何回か試行錯誤するうちに、利用許可のダイアログがメインウィンドウに背後にちらっと見えたので、それを前に出して許可を設定。これで開くようになりました。
Gundom Network Operation動作せず §
ショートカットのプロパティの互換性で、「互換モードでこのプログラムを実行」にチェックを入れたら動きました。
Gundom Network Operation同時複数起動できず §
いろいろいじって、別アカウントでの起動は成功しましたが、同時起動はまだ成功していません。
Random MP3 Player §
自作のRandom MP3 Playerですが、1曲が終わったあと、次の曲の再生が始まりません。再生ボタンを押さねばなりません。
MiniTimer2 §
自作のタイマーソフト(たぶん未公開)ですが、時間が来てMP3ファイルを再生する前に以下のような意味不明のエラーを出します。
助詞の「は」で始まるメッセージとはなかなかシビアです。
コピーしたショートカットからアプリを起動できない §
コピーしたショートカットからアプリを起動できないケースがあります。
スタートメニューから改めてショートカットをコピーし直せば動きます。
WinBiffが落ちる §
WinBiff 2.5PL2(最新の正規版であるはず)がエラーで落ちます。
メールは何とか読めますが、メール作成を行おうとすると、完全に落ちます。
感想 §
こんなよくある普通のアプリは特にチェックしなくても大丈夫だろう……と思ったものが、ボロボロと落ちてくれています。
たぶん、歴代Windowsの中で、互換性は最悪と言って良いのではないでしょうか?
とはいえ、それを「MSは馬鹿だから」と受け止めるのはおそらく間違っていると思います。
私の漠然とした印象から言えば、本来は両立しない以下の3つを愚直に実現しようとした結果がこれなのでしょう。
- 過去のWindowsとの互換性 (保守的な顧客の要求)
- 画期的な新機能 (営業戦略上の要求)
- 理想的な高水準の安全性 (セキュリティ猿の要求)
従来のWindowsは、上の2つのバランスの上に成り立っていたと思います。
しかし、Vistaでは最後の1つが付け加わって、バランスが致命的に壊れたのではないか……と(根拠はありませんが)感じました。
ちなみに、「セキュリティ猿」というのは、自分が本当の意味でのユーザーではないにもかかわらず、MS製品のセキュリティ上の欠陥が見つかると大騒ぎして「防ぐのが当然」と要求するタイプを意味します。彼らの要求に従うことは、たいていの場合、システムの互換性を損ないます。安全だが使い物にならないシステムなど、誰も使いはしません。しかし、彼らは「本当の意味でのユーザー」ではないので、そのことに気付くことはありません。
結局のところ、「互換性」「新機能」「安全性」の3つは、ほどほどのところで妥協しつつ上手くバランスを取るしかないでしょう。そういう割り切りができれば良いソフトができると思いますが、割り切らないで理想を追ってしまったのがVistaという印象を受けます。(根拠はありませんが)