2007年11月25日
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世田谷区立郷土資料館・特別展「1945-54 写真で見る戦後復興期の世田谷」

Written By: 川俣 晶連絡先

 今日は、世田谷区立郷土資料館特別展「1945-54 写真で見る戦後復興期の世田谷」に行ってきました。

 行った理由は以下の通りです。

  • 開催期間が平成19年11月3日(祝)~12月9日 (日)なので、そろそろ行っておかないと見られなくなるかもしれない
  • 昨日は法事で疲れたので、あまり身体を酷使する遠出は避けたかった
  • 世田谷区立郷土資料館の図書コーナーを見ておきたい理由があった

世田谷区立郷土資料館

特別展「1945-54 写真で見る戦後復興期の世田谷」 §

 この手の写真展は大好きなので見に行きました。

 しかし、昔の風景や風俗の写真は好きなのですが、見ていると微妙なストレス感が残る感じでした。もっと具体的にこの場所からこう撮った写真なのだ、という情報が付加されるともっと分かりそうな、やはり分からないような微妙な感覚です。

 ところが、展示室から出たところに図録が置いてあって、それを見るとその微妙な感覚が吹っ飛びました。ずっと詳しい説明が付いていたからです。

 更に、大ヒットを発見。何と、昭和29年の下高井戸駅を南東方向から撮影した写真があったのです(181番の写真)。参議院議員通常選挙に行こうという選挙管理委員会からの広報を撮影したものですが、その背景にはまさに世田谷線と京王線の下高井戸駅の当時の姿が写っています。既に両者の線路をつなぐ連絡線は残っていませんが、現在存在する道や建物の多くが存在する前の姿を捉えています。これは、私の下高井戸駅研究(おおげさ)のために大きな助けになる(かもしれない1枚)です。

他の話題 §

 070番の下高井戸駅は、他の本でも見た写真だと思います。しかし、069の下高井戸商店街(昭和25年)の写真はたぶん初めて見るものです。日大通りを奥から駅方面を撮影した写真で、赤松公園方面に行く道が分岐するあたり(現在マツモトキヨシがあるあたり)が見えています。ダブルルーフの京王線電車が奥に見え、手前の電柱の芦澤眼科の看板は、中学生時代の友人の芦澤君の祖父がやっていた眼科の宣伝と思われます。

 それから028と029のブルドーザーは、砲台を取り外してブルドーザーキットを取り付けた旧日本軍の戦車と説明されています。たしかに九七式中戦車のようにも見えます。

図録と古地図 §

 というわけで、ここを出る前に図録を購入しました。たった400円でもあるし。

 そして更に驚きが。

 図録を買うために販売コーナーを見ているときに、世田谷区の古地図を販売しているのを発見。明治14年(だったかうろ覚え)、昭和4年、昭和14年、昭和30年がありました。明治14年(?)のものは、既に持っている地図と基本的に同じと思えたので買いませんでしたが、昭和4年、昭和14年、昭和30年は目新しいので購入。バッチリ京王線沿線も収録されています。これは、「甲州街道の高井戸宿の下宿は京王線上北沢付近にあったはずなのに、なぜ駅にして2つも離れた場所に下高井戸という名の付いた駅ができ、しかもそこに市場が作られて人が集まるようになったのか」という(私的な)謎を解明する有力な助けになりそうです。

図書コーナー §

 図書コーナーでは、下高井戸駅周辺や松原に関するいくつかの疑問が解けるかと思い、以下を開いてみました。

松原 世田谷区民俗調査資第12次報告

平成8年3月31日発行

世田谷区教育委員会

 しかし、疑問は解けず。

 ところが、やけに面白い話を見つけました。

 世田谷の畑で作った野菜を都心部に運ぶために、牛で引くウシグルマを使ったというのです。それが甲州街道を走っていたわけです。他の交通と当たらないように午前1時頃に出て午前4時頃に到着したとも書いていました。輸送効率が良いだけでなく、居眠りをしても電柱に激突することはなかったそうです。ただ、居眠りして起きると前に進んでいるのか元の場所に戻っているのか分からなくなり、店の看板などで進行方向を確かめたといいます。

 更に面白いのは、ウシグルマ専門店シャリョウ(屋号)という店が明大前に存在し、そこで作成したウシグルマを昭和31年まで使用したという話です。

 しかも、そのウシグルマは岡本公園民家園に展示されていると言います。

 実に面白い話ですね。

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