2010年12月16日
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『冒険ゼロワン・アイランド』に関する無駄話

Written By: 遠野秋彦連絡先

 冒険ゼロワン・アイランドというのは、一応長編小説として構想され、書こうと思っていた話である。10年以上前のことだと思う。

 その時点で、『火星の地底世界』という『イーネマス』世界を舞台にした小説を何本か構想していた。1つの世界で複数の作品が入り組んでいれば面白かろうと思ったのだ。しかし、この構想は頓挫した。「この話は別の作品用のテーマだから使えない」といった制約も多いし、そもそもあまり乗り気ではないテーマはノリノリになれない。

 そこで、全てを集約して、やる気があるものを1本だけ書こうと思った。その結果が、長編小説『イーネマス』として結実している。

 だが、これを書くことによって、むしろこの路線に先がないことが見えてしまった。あまり意味のない架空世界は書くだけ無駄である。特に魔法のような道具に頼るのは良いことではない。

 ということを話の枕にしたが、実はそのような結論から少しこぼれる要素があった。

 『冒険ゼロワン・アイランド』のアイデアがそれである。

 この話のポイントは「悪だと思って倒したら事態がむしろ悪化する」という皮肉にある。この皮肉だけは書いてみたかった。しかし、それで1本の長編小説が成立するかというと、それは怪しい。しかし、エッセンスを絞り込んだショートショートであれば書けるのではないか、と思ってアイデアメモに追加した。かなり前のことであるが、やっと実際に書いてみたものである。

 その結果、2人のヒロイン(1人は神殿の巫女で、もう1人はレジスタンス)の板挟みになる主人公といった話は収まらなくなったが、それはそれでいい。そういう三角関係は他にいくらでもあり、他の作品でいくらでも書ける。『冒険ゼロワン・アイランド』でやるべきことでもない。