「このニュースがどうした?」
「開発言語がC#なんだ」
「えっ?」
「SONYといえば、PlayStationでの成功をPS2とPS3のずっこけで台無しにした過去指向の会社だが。PS2でも、Linuxという旧世代のアーキテクチャのOSを動くようにしたと自慢するほど。未来への展望はほとんど無いよ」
「でも、C#はあたらしいじゃん」
「新しくない。10年選手だ。既に古株に入りつつある」
「まさか! 古株ってのはC言語とかだろ?」
「CにはCの役割があるから滅びていないだけで、役割がもっと新しい世代の言語に持って行かれて消えた言語は多いよ」
「じゃあ、C#採用は新しくないわけ?」
「まあそうだ。しかし、MSの技術というだけで何でも色メガネで見る風評被害の拡大は少し収まったみたいだな」
「風評被害?」
「そうさ。みかん星人事件以来、MSへの悪評のほとんどは風評被害さ。しかし、ここでの話題では無いから横に置く」
「じゃあ、ここでの話題って何だよ」
「実は、ゲームのエンジンであるUnityがC#であったり、ゲーム関係でC#の扱いはけして低くはない。実際にC#で書いているゲームプログラマは少なくないだろう」
「それはいいこと?」
「少しはゲーム業界は現実的ってことだろう」
「なぜ、現実的になれるんだろう」
「Xbox360に負けちゃうからさ」
「マイナーじゃん」
「日本ではな。北米に行くと違うみたいだぞ」
「じゃあ、世界的にな規模で見ると、Xbox360は手強い敵ってこと?」
「そうだ」
「なぜ手強いの?」
「Visual StudioとC#で書けてソフトの生産性が高いからだ。ちなみに、昔の噂によるとPlayStationはSega Saturnよりも簡単にソフトが書けたから普及したという話がある。ソフトの生産性はゲーム機の普及に直接影響するよ。なにせ、生産性がソフトのラインナップの充実に直結する」
「なら、C#で書くことが競争力ってこと?」
「たぶん、そういう認識なんだろう。もはやC言語で書く時代でも無いし、ましてアセンブラでも無い」
「Javaでも無いってことだね?」
「そういうことらしいぞ」
「でも、既にC#も新しくないと君は言うわけだろ?」
「うん」
「それでいいの?」
「今日を生き延びないとゲーム業界に未来は無いからな。当面はいいのじゃないか?」
「でもさ。実行するOSの方はWindowsになる気配が無いよ」
「その辺は他の事情もあるだろう」
「どんな事情?」
「C#は基本的にISOやEcmaの標準だから、独自に実装するだけなら別にMSに金を払う必要は無い。でもOSはMSに金を払わないとならない」
「そうか。コスト負担には差があるわけだね」
「だから、Androidに逃げたい気持ちは分からなくも無い」
「じゃあ、肯定するの?」
「しないよ。Androidというチョイスそのものが、ただの過去指向だもん」
「ぎゃふん」