「今日の衝撃」
「なんだい?」
「PlayStation Vitaの発売日だった……らしい」
「らしいってなんだよ」
「秋葉原に行ったのだよ」
「何のために?」
「目的は2つある」
「なんだい?」
- 3DSのすれ違いMii広場で人数を稼ぐ
- コトブキヤの特設ACE COMBAT売り場を見る
「そうか。Vita目当てでは無かったのだね」
「そうだ。しかし、本命のゲーム機の発売日に電気の街に行けば、存在感が無いとは思えない。だが、ほとんど存在感が無かった。名前を叫んでいるコンパニオンのお姉さんを1人見ただけだが、誰も足を止めていなかった」
「いったいどうして、そんなことになったんだ?」
「逆に考えればいい」
「どういうこと?」
「さっき、こう言ったよね」
「それがどうした?」
「もし、この前提が間違っているとしたら?」
「は?」
- Vitaは本命のゲーム機ではないのかもしれない
- 秋葉原は既に電気の街ではないのかもしれない
「どっちかが真なら、存在感が薄くてもおかしくないわけだね」
「そうだ」
「それで、どっちが真なの?」
「たぶん2つめ」
「どうして?」
「結局、今日秋葉原をそこそこ歩いて気づいたのは、以下のことだ」
- メイド姿の若い女が多数立っている
- 飲食店が昔より増えた
- 電気とは直接縁が無いオタク系ショップが増えた
- すれ違い通信の手応えがかなり落ちている (比較的高水準ではあるが、驚くほど突出しているわけでもない)
「それって……」
「実は秋葉原は電気の街ですら無いどころか、既にオタクの街ですらなく、風俗に近接した観光地になりつつある感じだ。そこで、電気もオタクも既に観光アイテムになりつつあり、それっぽいムードだけ残して残りは飲食店になるわけだ」
「そうか、飲食店なら観光客も利用できるわけだね」
「誰でも腹は減るし、食事のメニューは誰でも選べる。オタクグッズとか、電気製品とか、知識が無いと選べない専門性のある商品とは違う」
第2の可能性 §
「Vitaは本命のゲーム機ではないのかもしれないって可能性は無いの?」
「個人的には本命では無い。なぜなら、自分がやりたいゲームが出てこないからだ」
「一般論の話だよ」
「それは良く分からない。別にハードコアなゲーマーじゃないからな」
「アーマードコアのゲーマー?」
「意味が違うと思うぞ」
「もし、プレイしたいゲームが発売されたら欲しいと思う?」
「原則論としてはイエスなのだが、そもそも『プレイしたいゲーム』なるものが絶賛減少中の今、Vitaにそれが出てくるかというと分からないな」
「えー」
「たとえばFF。昔ならやった。でも今はどんな新作があるのかすら良く分からない」
「FF13-2が出たばかりだよ」
「さすがにナンバリングタイトルぐらいは知っているのだが、実はドラクエ8がまだ終わっていない段階では手を出す気になれない」
「ぎゃふん」
「そもそも、すっかりRPGへの熱意が冷めたしな」
「初代ドラクエから、かなり経過したものね」
「こっちはPC-9801でやった初代Wizardryからだっての。ファミコンのWizardryですら『新しすぎる』という感覚なんだぜ」
「ぎゃふん。そりゃ、もう飽きるわけだ」
余談・回線問題 §
「Vitaなら3G回線にも対応してるけど、3DSは対応してないじゃん。3DSは、それでいいの?」
「それでいいと思っている。なぜなら、遊びとしては『そこに行かないと通信が成立しない』方が面白いからだ」
「3G回線があれば、いながらにして地球の裏側ともつながるけど、それじゃ遊びにならないわけだね」
「そうだ。ゲームとは制約だからな。上手く制約した方が面白くなる」
「じゃあ、スマホとかケータイとか、ゲーム機じゃ無いデバイスでやるゲームがもてはやされるのも?」
「それが一種の制約として機能するからだろうな」
余談・行列問題 §
「報道では何百人並んだとか言ってるよ。行列は見なかったの?」
「見たぞ。開店待ちの飲食店の前に行列があった」
「意味が違ーう」
「Vitaの行列があったとしても、朝だけだろう。こちらが行った昼頃にはとっくに無くなっていただろう」
「買った後も秋葉原をウロウロして騒ぐとかしないの?」
「しないだろう。買った人はすぐ遊びたいからすぐ帰るだろう」
「それはどう解釈したらいいの?」
「きっと、ライダー映画と同じなんだろう」
「意味が分からないよ」
「固定ファンがいるから、初動は凄い人を集めるがすぐ閑散としてしまう」
「えー」
「ふむ。Vitaはライダー映画説か」
「じゃあ、3DSはなんだよ。ウルトラ映画か? 戦隊映画か?」
「3DSはポケモン映画かもな」
「ぎゃふん」