Written By: 川俣 晶
「右からいこう。雑誌のオマケのケストレル。かなり色を入れているのだが、まだひと味足りない。もうちょっと色を入れたい」
「前はもっと赤が多かったよ」
「赤はアクセントだから、2~3箇所で良かったのに調子に乗って入れすぎだ。だから、そこは色を抑えたんだ」
「へえ」
「中央はこれも雑誌のオマケの知らないキャラ。食玩風のモデル。売り払うにしても誰かにあげるにしても、安すぎてほとんど意味が無い。差し込むだけなので作ってしまった」
「満足?」
「いや。いろいろと不満が多い。透き通った髪の毛とか存在感がなさ過ぎる。デザインも全体的にバランスしていない。特に色は全部塗り替えたいところ。服の色と肌色が似通っているのは、致命的に印象が悪い。でも、突っ込むと無限に手間が掛かるので妥協する。このままで終わらせる」
「わははは」
「左は5号娘。これも不満の塊だが、もう完成を宣言して終わりにする」
「どのへんが不満なの?」
「全部!」
「えー。それじゃ救いようが無いじゃん」
「キットの出来から自分の工作と塗装まで全部不満」
「それでも完成させるの?」
「次の作品の肥やしになれば良いと割り切ろう」
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