「隙間を無くすためにかなり無理をしたのに、船体に隙間ができてしまった」
「えー」
「しょうがないから溶きパテを隙間にながした。少なくとも穴にはならない」
「船体、また塗り直しだね」
「本当にもう1回最初から作り直そうかと思ってしまった。ゼロから作れば、今よりずっと上手くやれる」
「キットを買い直すの?」
「結局、買ってもここまで組むだけの気力が無いので、このキットで最後までやってみるよ」
「そうか」
「あと、上部構造物も塗り始めた」
「あれ、甲板は何色か内緒じゃなかったの?」
「ここまで来たら内緒にしてもしょうがないだろ」
色設計の指針 §
「なぜ甲板が黒なんだい?」
「戦艦大和に黒甲板説があるから」
「黒にした結果、他の色に影響が出たのかい?」
「出た。上から見たケースの印象を高めるために、甲板と主砲のコントラストを出す。そのために、甲板が黒なら、主砲は明るい色にする必要があった。だから、日本の軍艦色は暗すぎて採用しなかった。代わりに明るいガルグレーを採用した。従って、船体色もガルグレーだ。あくまでグレー系を使ったのは、あくまで軍艦らしさを維持したかったからだ。ただし、ヤマトは日本の軍艦ではなく地球の軍艦だという思想でヨーロッパの軍艦っぽい色に振った」
「艦底の緑は?」
「関係ない。もともと赤系の色にする予定だった。でも、艦底緑説を採用するなら緑でもいいわけだ。仮に末期大和が艦底緑、甲板黒なら260年後に蘇ったヤマトに継承されていてもおかしくない色だ。嘘か本当か知らないけどな」
「でも、それは後付けの理由だよね?」
「そうだ。最初に色のバランスありきだ。設定はこじつけだ」
「Uボートとの関係は?」
「基本的に無いよ。でも、Uボートの話は予定通りなら明日にでもやるよ」
「キッドの予告状かよ!」