Written By: 川俣 晶
「途中まで塗装を剥がしたが、顔と腕だけで良いと割り切った。足は上手く剥がせない」
「なぜ?」
「エッジが入り組んでいて、上手く下地を剥がせないからだ」
「それでいいの?」
「顔のマスキングはおおむね剥がせた。下地もおおむね綺麗に取れた。だからまあいいだろう。顔が良ければあとは重大な問題ではない」
「でも、足はどうするのさ」
「黒で下地を隠してストッキング表現にするさ」
「えー」
「というわけで黒を塗った。靴の赤はもともと塗ってあった色を活かした」
「やはり黒か」
「しかし、そうすると服を何色で塗るか、けっこう悩ましい問題になる。色設計無しになし崩し的に塗り始めてしまったからだ」
「難儀だね」
「まあこのキットの作成は敗戦処理そのものだから、最初から自由度はあまり無いよ」
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