特徴論 §
獣キャラは人では無い。しかし、人の属性を持つ。それゆえに、本音を語らせやすい特徴があるだろう。つまり、寓話を描きやすい。人間に語らせると危ない台詞も、獣キャラなら語れる場合があるだろう。
従って、人間であることを迂回しつつ、より人間の本音に迫れることになる。(この特徴を露骨に活用したのがジョージ・オーウェルの小説『動物農場』といえる)
これが一般化された獣アニメの特徴であろう。
この特徴がよく出ているのが、サイコアーマー ゴーバリアンに出てくるオルドンの毒舌であろう。
つまり、完全な動物でもダメ。かといって人間でもダメなのである。動物でも人間でもない第3の獣キャラになったとき、初めてそれは意味を持つのだと言える。
しかし、本音を出すだけでは無く、それを包み込んで癒す暖かさがあるのもまた獣アニメであろう。人ではないからそこに暖かみが産まれる。
しかるに、これら特徴は必ず活用されるわけではない。
ぬいぐるみのように可愛い、という特徴だけが使用される場合もある。
逆に、ぬいぐるみのように可愛い見かけで本音を語らせることで、逆に発言を際立たせる演出もある。
獣段階論 §
獣と人間のミックス度合いによって、どの程度の割合でミックスするかはかなりばらつきがある。100%の人間だが、とても獣的な性格を持っている場合から、100%の動物で人語も喋らないが、人間的な感情表現を行う場合まである。
これに関してはどの段階が良いとも言いきれない。
また、獣の比率を上げると人間から離れるわけでも無い。感情移入可能である限り、獣の比率を上げても十分に人間風刺たりえる。
尻尾論 §
尻尾がある場合と無い場合がある。
尻尾がある場合、人間の服を着せるときにどうお尻を処理するのかが問題になるが、どちらかといえばデザイン上の問題であり、作品の本質とはあまり関係してこない。
ただし『尻尾があるのにどうやって椅子に座っているの?』というネタにされる場合もある。
足論 §
足を何本にするのかは極めて微妙である。
たとえば四つ足の動物を、人間化して手が2本、足が2本として処理する場合もあるし、足が4本のままで処理する場合もある。
足が6本ないし8本の生き物を使う場合、手が4本ないし6本と足が2本と処理される場合もあるし、手は2本で残りは足として処理される場合もある。
いずれにせよ、どのように処理しても人間社会の風刺は可能と思われる。
これも『どうやって椅子に座っているの?』というネタにされる場合もある。
耳の数論 §
耳の数はやっかいである。人間に獣耳を付けると人間の耳2つと獣耳2つの計4つになるからである。
この場合は、以下のような処理方法がある。
- 耳が4つあることを容認する
- 獣耳だけで人間耳は存在しない
- 人間耳は髪の毛で隠し、あるのかないのかはっきりさせない
しかし、唯一の正解は無く、ケモナーの永遠の悩みどころでもある。
ちなみに、合体系獣キャラの場合、合体前に獣に耳が2つ、人間に耳が2つで、合体後に耳が4つというのも有り得る選択である。