「今週は死にそうなのだ。半端ない用事が毎日入っている」
「えー。毎日かよ」
「だから足が痛んでしまって、ひどい状況だよ」
「なのに、なぜ上野まで行った?」
「理由は以下の通り」
- 上野の東京都美術館は行ったことがなかった。1回ぐらいは行きたかった
- 群龍割拠 猫とドラゴン展というものを今ならやっている
- 実は、そこそこ近くまで行く用事があった
- 他に行ける日はない
「足の痛みを踏まえても今日行く必然性があったわけだね」
「うむ」
感想 §
「猫と龍の絵や造形物が並んでいたわけだが、けっこう面白かったぞ」
「どのへんが?」
「ポップカルチャーとアートの中間領域というのかな。アート寄りの作品もあれば、コミックの延長線にあるような作品もある」
「つまり?」
「カオスだな。普通の美術展とは少し傾向が違うが、離れすぎているわけでも無い」
感想その2 §
「もうちょっと何かないか?」
「面白い作品とつまらない作品の落差が激しいと言う感想は持った」
「なぜなの?」
「おそらく、龍という題材が弱すぎる」
「なぜ?」
「実在しないから、ある程度『これが龍ですよ』という記号性から逸脱できない部分があって、表現が凡庸になりやすいのではなかろうか」
「描いた本人は凡庸でもいいの?」
「昔見たような雰囲気、というのは年寄りの感想かも知れない。若い人は新鮮に見えるのかも知れない」
「それはまた微妙な感想だ」
「ははは」
「猫ならいいの?」
「猫は実在なのでもっと思い切った表現が出来そうな気がする」