「実はとても怖いアイデアを思いついた」
「なんだよ」
「おいらたちが第一章だと思っていたアレ。あれは本当にヤマト2199の第一章だったのだろうか」
「は?」
「より正確に言えば、我々がヤマト2199の第一章だと思って受け入れた解釈は正しかったのだろうか」
「言っている意味が分からないよ」
「緊張感に乏しく話が順調に進みすぎるあの話。あれは、本当に作品としての出来の悪さなのだろうか」
「どうだというのさ」
「メ号作戦は陽動だった。しかし、実はもっと込み入った理由があったのではないだろうか」
「込み入った理由って?」
「その前に、もっと考えてみよう。最初に戦端を開いたのは地球。そう言ったのは山崎とメルダ。しかし、メルダは現場に居たにしては年齢が若すぎる。山崎は、実はガミラスのスパイ説が有り得る。その件はあとで公開予定だがね」
「宇宙で漂流する前の記憶が無いわけだね」
「それ以前の記憶だって事実か怪しい」
「まさか。嘘だと言った島の方が正しい可能性も?」
「そうだ」
「それは、第11話の解釈が全部ひっくり返るよ!」
「それ以前に、相手の正体も分からないのに攻撃を指示する芹沢の行動もおかしい。何か裏があると見るべきだろう」
「悪党の小心者という解釈ではなくて?」
「他に何かあってもおかしくない、ような気がする」
「気がするだけかよ」
「科学者に一番大切なものは勘だ」
「そりゃナディアかい?」
「いや、日本沈没だよ」
「それで?」
「では執拗に移住先の調査を求める新見の行動は何か。これも実は考えてみるとおかしい。一刻を争うイスカンダルへの航海中なのに、ここで言い出すべき話でもないように思える」
「それってなにを意味するわけ?」
「ヤマト計画の成否とは別に、人類は地球を追い出される可能性が具体的に有り得るのかも知れない」
「えー」
「ということは、地球には地球外に黒幕がいることになる。ヤマトがイスカンダルの技術で動いている以上、イスカンダルが黒幕なのだろう」
「何か怖い考えになってきた」
「ヤマト計画はイスカンダルの計画。その指揮者こそは、黒幕の走狗であるはずだ。つまり、沖田は黒幕の手先」
「そこまで行くのかよ」
「沖田は、土方が交代すると言っているのに頑固に自分で行くと言い張った。それは土方と違って沖田は黒幕の手先だから自分で行く必要があったのではないか」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
真の目的 §
「じゃあ、ヤマトの真の目的とは何?」
「地球を救うことではない。それは表向きの大義名分」
「大義名分じゃない本当の目的って何だよ」
「おそらく強くなりすぎたガミラスの弱体化」
「えー」
「だからメ2号作戦がもともと存在した。ガミラスを弱体化させることが目的なら、冥王星の素通りは有り得ない」
「むむ?」
「そしてバランも素通りできない。だから航路表に書き込んで地球に渡してある」
「じゃあ、地球は滅んでもいいわけ?」
「そう思っているか、あるいは、地球を救うぐらい朝飯前でいちいちヤマトを呼ぶ必要などないのだろう」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
ファーストコンタクト §
「この話を進めると、真のファーストコンタクトはムラサメが沈む時ではなく、もっと前ということになる。そうでなければ、芹沢は判断の材料を手に入れられない」
「でもガミラスが来たのはあのときが最初でしょ? イスカンダル人は2198年のユリーシャ来訪が最初でしょ?」
「人ならね。情報カプセルのようなものなら、もっと先に届いていてもおかしくない」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
20世紀問題 §
「実は14話の古代家の食卓は、20世紀の食卓として解説されている。これが引っかかっている」
「明らかに22世紀だよね」
「実は20世紀なのじゃないだろうか」
「えー!?」
「イスカンダルはガミラスに対する噛ませ犬として地球を二百年ほど強制進化させ、デスラーにそこを攻撃させた、と思うと20世紀という言葉に重みが出てくる」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
波動エンジン問題 §
「波動エンジンがある、おねえさまが来た……とは何か」
「何?」
「さっぱりワカラン。ただ1つ言えることは、我々が知っている波動エンジンと2199の波動エンジンは全く異質かもしれない、ということだ。同じであると言う前提は話を見誤るかも知れない」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
事実が明らかになる日は来るか? §
「重力アンカーを切って波動砲を撃って空洞惑星から脱出する頃には分かるのだろう。たぶん」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
「というか本当に2199で重力アンカーを切って波動砲を撃って空洞惑星から脱出する展開があるの?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
オマケ・ちくわ惑星賛歌 §
アー空洞なり
そは、空洞なり、な~り~
「実はおいら、ちくわ天ってけっこう好き」
「なんて庶民的な味覚をしている……」
「ところで、なぜこんな歌を?」
「一応未来への伏線だ」
オマケ・ヤミ問題再び §
「イスカンダルはガミラスに対する噛ませ犬として地球を二百年ほど強制進化させ、デスラーにそこを攻撃させた、と思うと20世紀という言葉に重みが出てくる」
「は?」
「いや、実は凄いことに気づいた。ヤミ問題に戻って来たんだよ」
「どういう意味?」
「カストリ酒、ヤミ物資、やたら古くさいニュース映画。これらはいったい何を意味するのか」
「演出じゃなくて?」
「単なる演出ではないとしたら」
「は?」
「彼らは実は西暦2199年ではなく、太平洋戦争後の20世紀にいる」
「なぜ太平洋戦争後と言い切るの?」
「カストリ酒、ヤミ物資、これらは戦後混乱期の流行語だからな」
「ではずばり何年ぐらいと想定した?」
「ニュース映画は1950年代から1960年代ぐらいがピークじゃないかな。ただ1990年代まで粘った媒体もあるので、いつまであったとも言いがたい」
「じゃあ、1960年代としようよ。すると、西暦2199年はその約10年後だね」
「その通り。1970年代だ」
「えっ?」
「もしかしたら、彼らが本当にいるのは1974年ではないだろうか」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
オマケIII・地下都市問題 §
「この妄想を延長しよう」
「うん」
「実は1974年である地上の痕跡は全て遊星爆弾に吹き飛ばされて、偽装には好都合なのだ」
「地下都市だけ2199年風にすればいいわけだね」
「そうだ。イスカンダルの技術を突っ込んでな」
「でもそこで疑問。ガミラス戦の初期は地上で暮らしている人もおおいぜいいた。古代の家族とか。矛盾は露呈しなかったのかい?」
「誰のための偽装なのか」
「は?」
「地球人は十分に洗脳下にあって問題なし。むしろガミラスを騙すための偽装だったのではないか。ならば、遠距離から撃ち込まれる遊星爆弾が地上を耕して痕跡を消してしまうのは好都合」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
オマケDEFENCE FORCE §
「もう1つ目から鱗が落ちた」
「なんだよ」
「地球防衛軍日本艦隊とは、海上自衛隊がそのまま洗脳されてスライドした組織なんだよ。だから、海自風の発音がまかり通る」
「えー」
「ついでにもう1つ」
「なんだよ」
「1974年なら冥王星は降格前なのだ。太陽系最外周惑星として特権的な存在としてまだ君臨していたのだ」
「だから、前線基地を置いたり攻略に行ったりできるだけだね」
「しかも第11番惑星も無理がなくなる。冥王星に似た天体は他にもっとあるのが事実なのだ。冥王星を惑星として承認するなら、それらも承認できる」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
オマケ・中原中也詩集の出所 §
「明らかに20世紀に出版されている中原中也詩集の存在。これも、真の舞台が20世紀なら無理がない」
「ひ~」
「そして、観測員9号を作ったウーダン老人の正体も見えてくる」
「誰?」
「黒幕さ」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
オマケDJ §
「ラジオDJの存在。やたら古めかしいラジオの存在。これらも実は真の舞台が20世紀なら無理がない」
「それって本当?」
「さあ」
「さあって……」
「単なる妄想語りさ。本気にするなよ」
オマケ電話 §
「14話の公衆電話。公衆電話の存在に違和感が無いのは20世紀的な特徴だ」
「21世紀になると携帯電話が普及しちゃうわけだね」
「ただし公衆電話のモデルは20世紀というには新しすぎる」
「ヤマト2199の舞台は1974年説の反証来た!」
「だから最初から何回も言ってるだろ。単なる妄想語りさ。本気にするなよ」