「UQ HOLDERしか読まないのに高いマガジンだな」
「だったら単行本を待てよ」
「そのうちな」
感想第4回 §
「連載第4回にして、主人公の首が飛ぶとは思い切った描写をしたものだな」
「幻術?」
「いや、本当に首が切られて胴体と泣き別れ」
「えー。話が終わっちゃうじゃないか」
「終わらないから」
「なんでだよ」
「そういう不死者の話をやろうとしているから」
「なんという中二病」
「だからさ。ポイントはそこ」
「何だよ」
「話として、この作品は不死者のメリットを活かして戦わざるを得ない。そこにカタルシスがある、中二の読者を引き付ける魅力が存在しなければならない」
「うん」
「でもね。この作品の場合、不死者になるデメリットの方を先に描いているし、実際の不死者の戦い方は気持ち悪い。まあ頭の弱いお子さまはアレを格好いいと思うのかも知れないけどな。でも一般論ではグロい戦い方だ」
「それにどんな意味があるわけ?」
「不死者ものの陥りやすいご都合主義は回避されている」
「ご都合主義って?」
「少し弱点があるだけの便利な身体、と描いてしまうようなパターンだな」
「それじゃダメなの?」
「ダメだよ。頭の弱い子供が自分もそんな身体になると決めて飛び降りたらどうするんだ。そんな身体は存在しないぞ」
「あー、吸血鬼はいないけど、ロボットの身体になって不死身で蘇るのなら現実にあり得るんじゃない?」
「そんなロボの身体もまだ無いよ。それに脳が壊れたら蘇りようも無い」
「ぎゃふん」
「だからさ。この作品の場合、主人公と読者の距離感は凄く難しい。距離感を零にしてはならないが、物語を牽引する魅力が無いのもダメだ。主人公だからね」
「共感は欲しいが、全てに共感させたら不味いわけだね」
「そうそう。凄く難しい。でも、この作品は上手くやってるよ」