Written By: 川俣 晶
「物流博物館の情報はあまり入ってこなかった。盲点領域だ」
「それだけ?」
「どうしても、特別展「明治・大正・昭和の鉄道貨物輸送と小運送」が見たかったのだ」
「ふーん。感想は?」
「面白かった」
「どこがいいわけ?」
「マニアの考える鉄道貨物輸送は鉄道車両の問題だ。でも、プロが考えると駅から先も含めた全体で考える。つまり、個別の客から駅、駅から個別の客の輸送も問題になる」
「どう問題になるの?」
「駅から先は個別の駅ごとに違う業者になるし、鉄道輸送も別会社。複雑な貸借関係が発生する。計算専門の会社まで出てくる。戦争になれば1つの駅の業者を1つにまとめる圧力も発生する」
「壮絶だね」
「常設展も面白かったぞ。凄いジオラマがあって、貨物列車や車が動いているんだ。しかも、電飾で夜になると車の小さなヘッドライトが点灯。あれは見事だ」
「へー」
「これだけ面白くて入場料200円。しかも場所は品川駅近く」
「なかなか良かったわけだね」
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